【動画解説】刑事の“勘”より防犯カメラ? 犯罪減少でも配偶者への暴力が10年で5倍に急増している日本

カテゴリ:国内

  • 2018年国内で起きた犯罪発生件数が81万件、と過去最少を更新
  • 一方で虐待と配偶者への暴力事案は急増
  • 容疑者の10人に一人が防犯カメラで検挙

国内の犯罪発生件数は過去最少

オオシバくん:
犯罪の発生件数が、かなり減っているんだってね?

平松デスク:
そうなんだ。
去年、日本国内で起きた刑法犯の認知件数、要は、犯罪発生件数が、81万件余りと、過去最少を更新したんだ。これまで、犯罪が最も多かったのが2002年で、およそ285万4000件。それと比べると、この16年で犯罪件数が3分の1以下に減ったんだよ。

出典:警察庁

オオシバくん:
なぜ、そんなに減ったの?

平松デスク:
日本で最も多い犯罪は、窃盗・盗み。かつて、窃盗被害と言えば、住宅を狙った空き巣や、車を狙った車上狙いが多かった。ところが、今や、住宅に入ろうとしても、防犯システムが、すごいことになっているよね。侵入が難しい窓がなっていたり、ちょっとでも不審なことがあれば、警備会社に通報するシステムがあったりね。あと、車上狙いについても、車のカギが改良されるなどして、激減してるんだ。

要は、犯罪に遭いたくないという、市民の防犯意識と、防犯技術の向上などにより犯罪が激減したということなんだ。

児童虐待と配偶者への暴力が急増

虐待されて死亡した栗原心愛さん

オオシバくん:
良い世の中になってきたということ?

平松デスク:
いや、懸念することはあるよ。
最近では、栗原心愛さんの事件のような児童虐待や、配偶者によるDVが増えているんだよ。児童虐待は摘発件数がこの10年で3倍、DVは10年で5倍に増えているんだ。

出典:警察庁

オオシバくん:
何故そんなに増えているの?

平松デスク:
逆にいうと、被害を訴えやすい環境を作っているということ。児童虐待については電話相談ダイアルを設置したり、DVについては全国の自治体に相談窓口を設けたりしている。つまり、児童虐待や、DVの被害にあった人たちが、相談しやすい環境が出来ているということだね。このことによって検挙件数は増えているんだ。

容疑者の10人に一人が防カメで逮捕

街のあちらこちらに設置されている防犯カメラ

オオシバくん:
じゃ、逮捕者も増えているの?

平松デスク:
検挙件数自体は、残念ながら減っているんだけど、ここ数年で、すごい変化が起きているんだ。実は、防犯カメラをキッカケにして、容疑者が逮捕されるケースが増えているんだ。防犯カメラやドライブレコーダーなどが端緒になって、容疑者が特定されたケースは、2016年は、全体の5.6%だったのが、去年は、全体の9%までに増えた。要は、容疑者のおよそ10人に一人は、防カメで逮捕されているってこと。これはスゴイ数字だよ。

〝逮捕のキッカケ〟で比較すると、去年最も多かったのが、お巡りさんの職務質問で、およそ3万7000件。次いで多かったのは、実は、防犯カメラで、1万8000件余り。3位が、捜査員の取り調べで、およそ1万3000件だったんだ。今や、捜査の武器としては、防犯カメラが、取り調べを抜いたことになるんだ。

刑事の勘と機械のバランスが最強の“武器”

オオシバくん:
じゃあ、もっともっと防犯カメラを付ければいいんじゃないの?

平松デスク:
確かに、防犯カメラは都市部に集中しているよね。これが地方などに広がれば、もっと検挙件数は増えるかもね。ドライブレコーダーの普及も、検挙件数アップに貢献すると思うよ。ただし、防カメに頼りすぎて裏付けをサボってしまい、誤認逮捕につながる事案も起きている。初動捜査の遅れも懸念されるよね。

刑事のカンだって、素晴らしい捜査スキルなんだから、人間と機械との、絶妙なバランスこそ、最強の〝武器〟になり得るんだろうね。

【解説:フジテレビ 社会部デスク 平松秀敏】

【イラスト:さいとうひさし】