介護や雪かきの現場で大活躍の予感? 量販店に10万円台の「マッスルスーツ」が登場

  • 最大補助力25.5kg重のマッスルスーツが家電量販店に登場
  • 介護や農業、建設業などの重労働での使用を想定
  • 量産化のためにコピー機製造ラインの横で作られている

家電量販店といえば、その名に反して眼鏡・お酒・羽毛布団など、家電以外も幅広く扱っていることはみなさんご存じのことだろう。

さらに11月1日からビックカメラを革切りに、今まで無かったジャンルの商品の販売がスタートした。

それはなんと、マッスルスーツ

介護や農業、雪かきなどの重労働をアシストする補助器具だ。

ビッグカメラやAmazon.co.jpをはじめ、家電量販店・ホームセンターなどで発売されている「マッスルスーツEvery」は株式会社イノフィスが開発。

従来モデルは約50万円と高価格だったが、今回は従来品のアルミ製から樹脂(プラスチック)製に変更したことなどから価格を抑え、初めて店頭販売を実現。既に実家の両親へのプレゼントとしての購入もあったという。

25.5kg重の最大補助力で上半身を引き起こす力をサポートし、腰の負荷を軽減するという。動作に必要な圧搾空気の本体付属の手動ポンプを使って用意するため、電源不要で稼働時間に制限がない。

本体の重さは3.8kgで、価格は業界で初めて10万円台を実現した13万6000円(税抜き)となっている。

装着は一人で簡単に行え、リュックサックのように背負ってベルトを締めるだけの10秒程度しかかからない。手動ポンプは30~45回動かすだけで準備完了だ。

マッスルスーツの用途は、製造・物流・建設・農業などの作業現場での使用はもちろん、ご家庭での介護や家事、家庭菜園や冬の雪かきなど、さまざまなシーンで使えるという。

確かに便利そうだが、なぜ家電量販店で売ることにしたのか? また、イノフィスはリリースで「⼀家に⼀台、マッスルスーツの時代」と書いているが、家電量販店で売るほど需要があるのか? 担当者に聞いてみた。

並べて違和感がない「価格」の商品を扱っている

――なんでビックカメラでマッスルスーツを売ることになったの?

ビックカメラで販売したのは、13.6万円のマッスルスーツを置いても違和感のない価格帯の商品を扱っているためです。

マッスルスーツの従来モデルは、約50万円と高価格で、またまだ一般の方の認知が低かったため、これまで店頭販売は行っていませんでした。この度の販売については、当社から提案を行い実現しました。

――「なに売り場」にあるの?

ビックカメラでは主に理美容売り場で販売されています。

――家電量販店の店頭では、どんな人が買うと思っている?

在宅介護、農家の方はもちろんですが、中小の製造業など、事業を行っている方が購入されると予測しています。実際にあったケースでは、実家のご両親へのプレゼントとして購入された方もいらっしゃいます。

コピー機の横で作っています

イノフィスは2014年にマッスルスーツの初期モデルを発売。

それ以来、バリエーションを増やしながら、今年4月時点までに累計4,000台以上を販売してきた。ちなみに初期モデルは本体重量6.6㎏で90万円、前モデルは4.3㎏で49万8000円だった。

――従来モデルを導入した介護現場での評判は?

・「腰の負担が軽くなり、作業の辛さが大幅に軽減されました」
・「以前は休みのたびに整体に行っていましたが、その必要がなくなったので経済的にもずいぶん助かっています」
・「このままではあと10年働けないと思いながら仕事をしていましたが、マッスルスーツを使って作業をすれば、もっと仕事を続けられそうです」
など、数多くのお喜びの声をいただいています。

――従来モデルと比べた「マッスルスーツEvery」の特徴は?

まず「より軽量化されたこと」。
次に「厚みが薄くなったこと」で、トイレ介助など狭いところでの作業も楽になりました。そして「大幅なコストダウンを実現したこと」です。

――初期は90万円もしたのに、どうやってコストダウンしたの?

マッスルスーツは元々、発注があってから工場で作る「受注生産型」で、部品点数も多く、手作りの部分も多かったので量産はできませんでした。

それが、製品の認知とニーズが高まることで受注生産では追い付かなくなり、量産化スキームを構築したことでコストダウンにつながりました。

また、製品の軽量化を目指して、従来品のアルミ製から樹脂(プラスチック)製に変更したことも低価格化にプラスの働きがありました。樹脂を採用することで軽量化だけでなく量産化も可能になったのです。

実はこれに関しては、コピー機メーカーであるリコーグループとの協業による部分が大きく、現在コピー機を製造するラインに並んで、マッスルスーツが作られています

他に必要なコストはありません

――圧搾空気満タンで、どのぐらい稼働できる?

まず、圧搾空気を満タンにしないと作業ができないわけではありません。人により、作業内容により、最適な空気の充填度合いは異なります。

したがって、同じ人でも作業によって空気を入れなおしたり、少し空気を抜いたりしながら作業をすることになるのです。

ただ、同じ作業をずっと続ける前提であれば、朝と午後など、1日2回ほど空気を入れなおせば十分使用できます。

――もっと圧搾空気が入る方が便利では?

人が荷物を運ぶ作業であれば上記の回数の空気充填で十分問題なく耐えられるよう設計されています。

使用する人がマッスルスーツの重量の負担を受けないよう、「ニーズの多い作業(重さ)に最適な負荷軽減力で」「重いコンプレッサーを使用せず、手動空気入れで使用できる軽さ」ということにこだわっています。

――使用にあたって必要な他のコストは?

ありません。特別にお金をかけてメンテナンスする必要もないようにできています

――今後、実現したいことは?

さらなる軽量化と低価格化が目標です。

画像はイメージ

マッスルスーツを必要とするケースは、人によって違うだろう。

しかしまったく必要がなくても、映画やアニメで似た道具を見たなど、ちょっと着けてみたいと興味を持つ人も多いのではないだろうか?試してみたい方は、家電量販店の理美容品売り場を一度覗いてみるのもいいかもしれない。