散歩や休憩スポットだった広場が、いま驚きの進化を遂げている。
近年、民間事業者によって運営される事例が全国的に増加し、東京都中央区の「Ginza Sony Park」 など、かつてのイメージとは異なる魅力あふれる独自性を打ち出す新しいスタイルの広場が登場しているのだ。
今回の「ココ調」は、地域を活性化する“進化形広場”の人気の理由を調査する。
青山にリゾート誕生!? 緑に囲まれて仕事も捗る
まずは、東京都港区の「シェアグリーン南青山」へ。どんな広場なのか、帰りがけの女性たちに聞きいてみると…
ココ調取材班:
いかがでした?
女性A:
サイコーでした!もう全部がかわいくて。センスがイイ。
女性B:
センスの塊。
女性たちが大絶賛する空間とは?
ココ調取材班:
すごいですよ、ここ。大きな芝生が広がっています!
都会のど真ん中と思えないほど、緑豊かな広場。そして、オシャレパワー全開の空間デザイン。
実はここ、もともと倉庫や駐車場だった場所で、2018年10月に広場に生まれ変わったのだ。(入場無料、開園時間:午前8時~午後8時)
NTT都市開発 開発本部 宗慎一郎さん:
シェアグリーン南青山の特徴は、「植物園のような都心のオアシス」です。入居しているカフェやグリーンショップ(園芸店)と一緒に、普通の公園ではできない空間を作りました。
この新しいスタイルの広場は、ママ友たちに大人気。
女性C:
やっぱりお母さんもお茶を飲みながら、おしゃれな空間にいられるというのがいいですね。
ココ調取材班:
南青山っぽい?
女性C:
そうなんです! 写真いっぱい撮ってね。
さらに、驚きの利用法も。
ココ調取材班:
えっあそこ、テントの中で皆さんパソコン広げていますよ!テントの中で何されているんですか?
男性A:
今、ミーティングをしていました。
広場内には、敷地内にシェアオフィスも併設。契約者は外でWi-Fiを利用できるため、広場で青空ワークも楽しめる。
男性A:
こうやって日光の下でミーティングすると、活発なやりとりができますね。
ココ調取材班:
きょうの会議の成果は?
男性A:
完ペキだと思います(笑)
下北文化を発信 古着マルシェに演劇も
続いては、東京都下北沢駅から徒歩4分の場所に2019年9月にオープンし、早くも大にぎわいの広場「下北線路街 空き地」へ。
カフェスタンドや飲食エリア、芝生エリアなどが地域に開放されている。(入場無料、午前8時30分~午後10時)
実はこの場所、もともと小田急線の線路だったのだが、鉄道の地下化で生まれた線路跡地を広場に活用。 芝生エリアでは、設置された土管で楽しそうに遊ぶ子どもたちの姿があった。
男性B:
この辺は広場みたいなところなかったので、すごくいいと思います。
女性D:
趣味でカメラ撮っているから、撮りたいと思って来て。下北沢は細い路地が多いから新鮮だなと思いました。
小田急電鉄 開発推進部 向井隆昭さん:
小田急としては、街の魅力を高めてその沿線を活性化していくことが求められていると思っていますので、こういった広場を整備することにしました。
さらに、下北沢ならではの独自コンセプトを掲げ、さまざまな「シモキタカルチャー」をイベントで発信している。
夜の広場に謎の特設テントが出現。中で行われていたのは、劇団のテント公演だった。
週末に開催された唐組 第64回公演「ビニールの城」は満員御礼。演劇の街・下北沢ならではのイベントに、お客さんからは「雨の音だったり、車の音だったり、そういう環境音も楽しめながら演劇を見られたのはとても新鮮でした」という感想が聞かれた。
また、下北沢ゆかりのミュージシャンの演奏やマルシェなども定期的に実施(11月16日・17日に開始予定)。「シモキタファッション」の代名詞である古着も充実している。
「多世代交流」で地域が活性
最後は、神奈川県川崎市幸区にある「コトニアガーデン新川崎 」へ。この日、広場の芝生エリアなどで開催されていたハロウィーンイベントは、地域の住民たちが仮装姿で参加して大盛り上がり。
横山ルリカ リポーター:
みんなは何の仮装をしてるの?
女の子たち:
魔女。アリス。とっても楽しい!
男性C:
みんなで遊べるところってだいぶ少なくなってきているので。地域の人たちが(広場に)集まってくるので、とても良いなと思っています。
ここは元はJR東日本の社宅だった場所で、2018年4月に広場として生まれ変わった。
今年10月には、2019年度のグッドデザイン賞を受賞。そのポイントは?
ジェイアール東日本都市開発 神奈川支社 菅井亜沙美さん:
コトニアガーデン新川崎のコンセプトは、「多世代交流」を目指しております。
そう、地図を見てもわかるように、保育園や高齢者サービス施設など、多世代交流を生み出すための施設が、広場で繋がっているのだ。
敷地内の保育園児たちは、毎週、隣に建つ高齢者サービス施設へ散歩に通って歌を披露するなど、地域の子どもたちとシニア世代が日常的に触れ合うことで、多世代交流を生み出しているという。
施設利用者の女性:
保育園児といつも一緒で。皆さん元気で、本当に楽しかったです。
こうした多世代交流が日常生活に溶け込んだことで、こんな変化も。
女性E:
普段(子どもと広場へ)遊びに来ていても、おじいちゃんおばあちゃんが声をかけてくれたりして。「あなたいつも来ている(保育園の)子よね」みたいな感じで。
横山ルリカ リポーター:
なかなか普段の生活でそういう交流ってないですよね。
女性E:
(実家の)おじいちゃんおばあちゃんが遠方なので、近くにおじいちゃんおばあちゃんがいる感じでいいなと思っています。
こうした民間運営の広場が増えている理由として、経営コンサルタントの岩﨑剛幸氏は、全国で増加する空き地を活用できること、自由に空間デザインできること、地域貢献でイメージアップを図れることの3つを挙げている。
(「めざましテレビ」『ココ調』10月25日放送分より)
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