「乗っ取り」の被害も…利用頻度が低いSNSアカウントの“放置問題”どうしてますか?

カテゴリ:国内

  • アカウントを放置すると「乗っ取り」で個人情報が流出することも
  • 利用していないとセキュリティーに甘さがでる
  • 専門家「週に1回も見ないなら、削除しても問題ない」

SNS“戦国時代”だから起こりがちな「放置問題」

SNSの大きな魅力は、流行の発信地となれることだろう。フォトジェニックな写真を掲載したり、投稿に共感が集まったり...2017年には、Instagramでの写真映りを意識した「インスタ映え」が流行語大賞にもなった。今も新しい流行が生まれているはずだ。

主要SNSのアクティブユーザーの推移(提供:株式会社リスキーブランド)

しかし、そのSNS自体も流行り廃りが激しい。ブランドコンサルティング企業の「株式会社リスキーブランド」が日本人男女約4,400人(15~64歳)のSNS傾向(2011~2018年)を調べたところ、2018年時点のアクティブユーザーは、LINEが53.5%と過半数を超えたが、Facebookは16.9%と微減し、mixiはかつて人気だったが、3.7%にまで落ち込んだ。

このような主要SNSだけではなく、最近では動画や画像でのコミュニケーションを重視したサービスも人気を集めている。SNS業界はまさに“戦国時代”といった状況だろう。

こうした中、私たちが陥りがちなのが「SNSアカウントの放置問題」。流行に乗ろうと複数のSNSに登録しても、利用頻度の「高いSNS」と「低いSNS」に分かれてしまい、利用頻度が低いものは存在すら忘れがちだ。
とはいえ、アカウントを削除するのは、以前にヘビーユーザーだったりすると、過去の思い出ごと消えてしまうような気がする。また、突然削除すると他のユーザーが心配したり、不快に感じたりすることもあるかもしれない。

果たして、放置状態となったアカウントとはどう付き合っていけばよいのだろうか。ネットメディア評論家として活動する、落合正和さんに話を伺った。

利用していないとセキュリティーに甘さが出る

落合正和さん

――SNSアカウントを放置するとどんなことが起こる?

セキュリティーが一番の問題となります。SNSは利用しなくなると、IDやパスワードを変えずに放置してしまいがちですが、さまざまな被害に発展することもあります。Twitterでは実際に、2年以上放置されたアカウントが乗っ取られるケースが多発しました。

SNSには個人情報を入力していることが多く、Facebookなど、学校や勤務先などを掲載しているものも珍しくありません。アカウントが乗っ取られるとそんな情報も抜かれ、スパムメールの送付など悪用されるので、非常に危険な状態です。鍵付きのアカウントなら、閉鎖されているはずの友人関係や情報も見えるため、他人のプライバシーまで侵害する可能性もあるのです。

また、古いSNSを放置すると「アカウントがあった」という意識が飛ぶこともあります。過去の投稿内容が放置され、将来的に苦しむ可能性もあります。実際の例では、ある芸人が大学生の頃に投稿した内容が掘り起こされ、叩かれる要因となってしまいました。


――危険性を防ぐためにはどうすれば良い?

日常的に使わないアカウントは削除するべきでしょう。SNSのセキュリティーは家と似ています。家は「人が住まないと劣化が早まる」と言いますが、SNSも利用していないとアップデートや規約変更に対応できず、セキュリティーに甘さや隙間が出てしまうのです。アカウントが休止状態だと悪意を持ったユーザーも「悪用できるのでは」と近づきやすくなります。

削除しないなら、定期的にログインするべきでしょう。「これ」という頻度はありませんが、1週間に1回程度をお勧めしています。数秒程度で終わりますし、もし乗っ取られてもいつ被害に遭ったか気付けます。逆にこれ以下の頻度でしか見ないなら、削除しても問題ないと思います。


「サービスごとにアカウントは一つまで」

定期的なログインがアカウントを守る(画像はイメージ)

――アカウントを削除することで、どんなメリット・デメリットがある?

メリットは上記したように、セキュリティーを管理できることです。
デメリットはあまり考えられませんが、ウェブにはSNSを鍵代わりに使えるサービスもあり、削除するとログインできなくなることもあります。アカウントに結び付いているサービスは覚えておく必要があるでしょう。過去の投稿などが残っていると、炎上したときに深掘りされることもあるので、メリットのほうが大きいのではないでしょうか。


――アカウントを管理するポイントなどは?

SNSのようなサービスは次々と出てきます。管理に追われないためにも、併用するにしても「サービスごとにアカウントは一つまで」と決め、使わなくなったら整理するべきでしょう。SNSごとに登録するアドレス・パスワードを分けることも大切です。

また、複数のアカウントを作る「サブアカ」はお勧めしません。他のユーザーに良い印象は与えませんし、運営側が禁止していることもあります。被害に遭う可能性も高まります。


アカウントを削除するときに注意すべきことは?

――投稿を避けるべき情報、削除すべき情報などはある?

個人情報の特定につながる情報は、他者の分も含めて投稿するべきではありません。友人と撮影した学生時代のふざけた写真を投稿しても、自分だけではなく友人まで炎上してしまう可能性があります。他人のプライバシーを侵害する可能性があるという、認識を常に持っておくことが大切です。当たり前のことですができていない人も多いです。

また、価値観が常に変化していることは理解しておくべきでしょう。その当時は面白くて当たり前だったとしても、後になって恥ずかしくなるケースは多々あります。いわゆる“黒歴史”ですね。


――アカウントや投稿を削除するとき、気を付けることは?

アカウントを放置している場合、いきなり削除すると他ユーザーが心配したり、動揺したりすることがあるかもしれません。「あと1カ月で削除します」と予告したり、「セキュリティー確保のために今後はこちらで活動します」と別サービスに誘導するなど、理由があって削除することを伝えた方がよいかもしれません。


――SNSアカウントを取り巻く状況は、これからどうなっていくと思う?

個人情報との紐付けがより強まると思います。国家や企業に大量の個人情報が集約される時代となり、個人の「信用スコア」をSNSと紐付けて格付けする流れもあります。ヨーロッパで広がる「一般データ保護規則(GDPR)」のように、個人情報やプライパシーを保護しようとする動きもあるので、日本でも個人情報の収集に対する反発が生まれてくるかもしれません。


(参考記事:あれもこれも個人情報で保護? EUで始まった「データ保護規則」は対岸の火事ではない

自分だけではなく他者のプライバシーも考えることが大切(画像はイメージ)

SNSは気軽に始められるが、管理を怠ると自分が知らないうちに悪用される可能性もある。使ってないから大丈夫ではなく、そういった危険に晒されていることを忘れてはいけない。
ネットでつながった人たちのプライバシーを守るためにも、定期的なログインを習慣としつつ、「使わない」と感じたアカウントは削除することを検討してみてはいかがだろうか。

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