列車の旅 お供のコーヒーが…

新幹線や特急などに乗る時の楽しみはいろいろあるが、車内専用のワゴンを押した販売員から温かいコーヒーを買って、車窓からの景色を楽しみながら飲むこと、という人もいるだろう。

しかし、そんな皆さんに少し残念なお知らせである。
 JR東日本は東北、上越、北陸の新幹線や一部の特急の車内で販売していたポットから注ぐ形で提供しているホットコーヒーの車内販売を6月で終了することを発表した。

イメージ
イメージ
この記事の画像(3枚)

列車の旅の風情の1つの車内販売中止の発表について、Twitterでは「新幹線で飲むコーヒー、楽しみだったのになぁ」「まじかー。悲しい。影響甚大」など悲しみの声が相次いでいる。

JR東日本といえば、3月15日に、駅弁などの車内販売を一部の新幹線を除いて終了したばかり。
現在では、「駅ナカ」の充実などで、乗車前に駅構内で飲食物を購入する人が増えてきているのは確かだが、今回、コーヒーだけを新たに販売終了する理由は何なのか?
JR東日本の広報部に話を聞いた。

売れ残った場合は廃棄せざるを得ない

ーーコーヒーの車内販売を終了した理由は?

近年の車内販売の利用状況や、駅ナカ店舗、自動販売機の充実等を考慮し見直しをすることとしました。


ーー他のドリンク・アルコールやつまみは継続する?

プレス記載のとおり、菓子類、アルコール類、つまみ類は継続します。


ーーなぜコーヒーだけ車内販売を終了したのか?

ペットボトルと異なり長期保存をすることが出来ず、売れ残った場合は廃棄せざるを得ず、衛生管理も難しいことから、ホットコーヒーを取り扱うことをやめることにしました。


ーーやはり「駅ナカ」の店舗の充実がコーヒーの車内販売終了の理由の一つ?

ご認識のとおり、理由の一つです。 


ーー缶コーヒーなどで代用することはある?

現在、7/1以降、缶コーヒーを販売することを検討しています。
なお、今後もペットボトルのソフトドリンク類の販売は継続いたします。


加速する車内販売の縮小・終了の流れ

ここにきて、JR東日本の新幹線での車内販売の縮小や終了の動きは加速しているので、改めて整理してみる。

3月15日に車内販売を終了した新幹線は
北海道新幹線 はやぶさ(新青森~新函館北斗間)・はやて(新青森~新函館北斗間)
東北新幹線 やまびこ
秋田新幹線 こまち(盛岡~秋田間)


また、3月16日以降の車内販売の取扱品目の縮小を行った新幹線は
東北新幹線 はやぶさ(東京~新青森間)・はやて(東京~新青森間)
山形新幹線 つばさ
秋田新幹線 こまち(東京~盛岡間)
上越新幹線 とき

車内販売中止:お弁当、軽食類(サンドウィッチ類)、デザート類、お土産類、雑貨類。
車内販売継続:ホットコーヒー、ソフトドリンク類(ペットボトル)、菓子類、アルコール類、つまみ類。

そして6月末をもって、これらの新幹線もポットから注ぐホットコーヒーの販売が終了となり、北陸新幹線かがやき・はくたかでも他の新幹線と同様に車内販売を縮小することとなった。こうした流れの中で今後、車内販売自体がすべてなくなってしまうこともあり得るのか聞いてみた。

車内販売は継続していく予定

ーー3月には駅弁の車内販売を終了しているが、今のところ乗客からの反応は?

様々ご意見をいただいておりますが、具体的な内容はお伝えいたしかねます。


ーーこのコーヒー販売終了を発表した反響は?

お客さまから「コーヒーの販売をやめないでほしい」という個別のご意見をいただいておりますが、大きな反響があったという認識はございません。


ーー今後、車内販売自体が終了する可能性はある?

今回の見直しで一部の観光列車を除く、新幹線、特急でのホットコーヒーの販売は終了となります。
車内で商品を販売することは継続していく予定ではありますが、多様化するお客さまのニーズに合わせて販売形態や取扱う商品を変えていくことも考えています。
 

駅ナカ イメージ
駅ナカ イメージ

時代とともに車内販売も移り変わっていくのは仕方がないことだが、列車の旅の楽しみ方の選択肢が減ってしまうのはちょっと寂しいと思う人も多いのではないだろうか。

ただ、7月以降も乗車時に温かいコーヒーを持ち込むことはできるし、途中で欲しくなった場合は缶コーヒーの車内販売を予定しているそうなので利用して欲しい。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。