細野豪志防災担当大臣は26日、フジテレビ報道局の公式YouTubeチャンネル「ニュース延長戦はじめます。」に出演し、11月2日に発足する政府の災害対応の司令塔となる「防災庁」について「国難級の災害への対応が一番の仕事であり、課題」と語った。
「防災庁」は事前防災から復旧・復興までの一連の災害対応を担う司令塔として、11月2日に発足する。
細野大臣は「防災庁」の”一番の仕事”について「南海トラフ地震や首都直下地震のような国難級の災害に対応すること」と強調した。
そのうえで、国難級の災害に対して「別次元の備えが必要で、防災庁として、これまでの作業をさらに加速する必要がある」と述べた。
徹底した「事前防災」の必要性
「防災庁」の役割で特に重要と位置づけられているのが、災害リスクの評価や防災計画を含めた「事前防災」だ。
細野大臣は、「自治体の災害への体制や備蓄に差がある」としたうえで、「自治体に再度、意識や体制を考えてもらいたい」と求めた。
その上で「市町村が対応しきれない時に都道府県、国が出ていく。もちろん国難級の災害には全面的に国が出ていく。それぞれが支え合っていろんなレベルの災害に対応できるようにすることが事前防災の柱になる」と話した。
「防災庁」発足初日に全国民にも「緊急要請」発令へ「勧告権」”抜かずの宝刀”にしない
さらに、事前防災を進めるため、「防災庁」の発足初日には中央省庁、都道府県に加え、国民にも災害への備えを進める「緊急要請」を出す考えを示した。
細野大臣は「最低限3日、できれば1週間分の食べ物、トイレや水をしっかり用意していただきたい。自分で自分を支えられる人が増えれば、本当に支援が必要な人に絞れる」と話し、特に南海トラフ地震などの国難級の災害における「自助」の重要性を語った。
また、防災庁が持つ他省庁への「勧告権」については要請の手順を踏まえたうえで「”抜かずの宝刀”にしない」と述べた。
避難所の改善が急務「TKB」から「TKBB」へ
また、細野大臣は「しっかりやれば、一番効果が出てくるのは避難所だと思う」と述べた。
2026年7月に発生した熊本地震でも発災数週間が経っても雑魚寝状態が続くなど、避難所の環境の改善が、数十年にわたり大きな課題として残っている。
細野大臣は災害関連死を防ぐうえで重要とされる「TKB」=トイレ・キッチン(暖かい食事)・ベッドに、バス(風呂)を加えた「TKBB」を確保できる環境を平時から民間施設との災害協定など官民連携を通じて整えたいと話した。
「まずは防災庁で環境を作るひな型を作って、自治体の政策を後押しする」
「あらゆる災害に自治体だけで対応するのは不可能」ボランティア人材増員構想
一方で、これまでは避難所の運営などを自治体のみに頼りすぎている側面が大きいとして、「あらゆる災害に自治体だけで対応するのは不可能」とも指摘した。
そのうえで、有事に避難所運営などの分野ごとにプロとしてやっていけるようなボランティア人材を企業や団体と連携しながら、経済的もサポート・確保し「桁違いに増やす」構想も示した。
”守り”の防災から”攻める”防災へ
また、防災の技術への投資が成長戦略につながる可能性を示唆した。

「防災はお金がかかって、大変で負担が大きくて辛いものという面から、平時においては有効に活用すると日本の強さや成長にもつながる」
災害が多い日本だからこそ生まれる防災技術は、国際防災協力としてこれからの日本社会の大きな鍵になるとも話した。
防災庁の課題「国難級の災害に対応する仕組み作りは道半ば」
一方、課題は…
「防災庁」の”一番の仕事”とも述べた南海トラフ地震、首都直下地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震、富士山噴火などの国難級の災害に対して「マクロで捉えてどう対応するかの仕組み作りは道半ば」と漏らした。

「私は東日本大震災を政権の真ん中で身を持って経験した。国難は実際に起きる。防災庁ではこれが我々の仕事だよと言い続ける」
「そうならないことを願いたいが、そんなに遅くない時期に我々は試される。その一つ一つに対応して防災庁ができて日本の防災そのものが変わったという状況を何としても作りたい」
執筆:フジテレビ対策チーム 風巻隼郎

