続いて特集です。きょうは、緊急避妊薬の市販化について森山記者とお伝えします。
【森山裕香子記者】
2月2日から、国内では初めて医師からの処方箋なしで、緊急避妊薬が購入できるようになります。こちらの「ノルレボ」は、避妊に失敗した場合に、性交後72時間以内に服用することで、およそ8割の確率で妊娠を防ぐ効果があります。ただ、この緊急避妊薬は、どこでも買えるというものではなく、厚生労働省に登録申請した薬局などが販売できます。望まない妊娠を防ぎ、女性の選択肢を広げようと、市販化に向けた議論が進められてきた緊急避妊薬。2月からの販売に向け、県内の薬局でも準備が進んでいます。
(森山裕香子記者)「今回市販化が始まる緊急避妊薬は、一般の市販薬とは違い、様々な条件があるなかでの服用となります」
厚生労働省は、緊急避妊薬を販売する薬局に対し、「プライバシーへの十分な配慮」を求めていて、薬局側は、個室やついたてで仕切った場所などを確保する必要があります。薬剤師5人が働く都城市のひまわり薬局では…
(県薬剤師会中津留敏裕常務理事)
「女性のプライバシーを一番確保した状態で、販売・服用できるか判断をするために、当薬局では個室にということで、裏口の方から誘導して、話を聞くような形とさせていただいています」
そして、対応できる薬剤師も限定されています。事前に研修を受けた薬剤師のみが、性交からの時間や女性の体調などを確認した上で、販売の可否を判断します。さらに、緊急避妊薬の購入後は、転売などの悪用や乱用を防ぐため、薬剤師の目の前で服用することが決められています。
(県薬剤師会中津留敏裕常務理事)
「緊急避妊ということ自体を女性がどのように理解しているか、的確に薬剤師が情報を伝えて、ルールを伝えていく使命を強く感じています」
【森山裕香子記者】
宮崎県内では、2月2日から、84の薬局で販売が始まり、厚生労働省のホームページから薬局の名前や夜間対応の有無などを確認できます。メーカーの希望小売価格は1錠7480円です。県薬剤師会は、「対応できる薬剤師も限られているため、事前に電話をしてほしい」としています。
【佐々木紅音キャスター】
望まない妊娠をした場合の選択肢が増えることは良いことだとは思いますが、緊急避妊薬ありきになってしまうのは良くないと思います。
【森山裕香子記者】
そうした指摘は、市販化に向けた議論の中でもあって、・悪用や乱用の恐れ・性教育の遅れなどの理由で、議論開始から市販化までおよそ9年を要しました。医師は、「緊急避妊薬はあくまで緊急時の薬であり、まずは避妊に関する正しい知識を身に着けることが重要」と指摘します。
県産婦人科医会の会長も務める県立看護大学の川越靖之教授です。緊急避妊薬の市販化が進んだ背景には、世界およそ90カ国では、緊急避妊薬が薬局で手に入るという状況があります。
(県産婦人科医会川越靖之会長)
「世界的にはかなり薬局で手に入る国が多いということもあり、日本ではなかなかアクセス自体が改善されていないという状況があったので、そういうところの改善というのが主な目的だと思う」
「必要な人に必要な時に届くということが、今後実現されるのでは」と評価する一方で、懸念点もあるといいます。
(県産婦人科医会川越靖之会長)
「(避妊に)失敗するたびに使う、あまり頻繁に使う薬ではない。避妊に失敗したという場合には、次からきちんと避妊具を使う。例えば、ピルを持続的に飲むなど、そういうことが必要になってくる」
宮崎県内の人工妊娠中絶率は、2020年度と2021年度がワースト1位、2024年度もワースト3位など、依然として高い状況が続いています。