厳しい暑さによる今年のコメへの影響が懸念される中、JA全農にいがたは8月19日、今年産のコメについて各JAへの仮渡し金を発表。一般コシヒカリで去年の1.7倍という大幅な引き上げに生産者は複雑な思いを漏らします。

【齋藤正昂リポート】
「JA全農にいがたが今年産のコメの仮渡金を発表。去年産のものを大きく上回る結果となりました」

JA全農にいがたが19日発表したのは、今年産のコメを集荷する際に県内の各JAへ支払う仮渡し金です。

各JAはこの金額をもとに実際に生産者へ支払う価格を決めます。

発表によると60キロあたり一般コシヒカリは3万円。新之助は3万1000円など各銘柄の金額はおおむね去年産の1.7倍に。

JA全農にいがたは猛暑や渇水により収量の確保が心配される中、県産米の安定供給の要望が大きいことなど増額の理由に挙げていますが…

【青空ファーム 青木等さん】
「今のところは順調」

阿賀野市でコメを栽培する青木さんは肥料の工夫などにより、心配されていた暑さの影響は少ないと話します。19日発表された仮渡し金については…

【青空ファーム 青木等さん】
「概算金(仮渡し金)が出て半分びっくりしている状態。3万円かと」

肥料や燃料などの資材が高騰する中、将来、規模の拡大を見据えている青木さん。

【青空ファーム 青木等さん】
「規模は増えたら増えただけコンバインの条数が増えるので、以前の機械が4条刈り。今の機械は5条だが、この機械も11年目で、もう入れ替えのタイミングが来ている」

設備投資のためにも仮渡し金の増額を歓迎しますが、その一方で…

【青空ファーム 青木等さん】
「農家としてみればうれしい反面、われわれは農家で生活者なので、生活者として考えたときに、ちょっとコメは食べられるのかなと」

価格高騰による“コメ離れ”を危惧。

さらに、仮に今後、価格が下がった場合に税金や従業員への給与など農業経営に影響が出る可能性を不安視しています。

そのため、農薬を減らすなどの付加価値をつけて、JAへの出荷だけでなく、自身のコメのファンを独自に開拓する必要性を感じていると話します。

【青空ファーム 青木等さん】
「次の世代がこのまま行けば継げるけど、また下がったら継げなくなるということなので、3万円が続くのであればありがたいが、それが1~2年であればちょっと困る」

これから本格的な収穫を迎える今年産のコメ。価格の動向など注視していく必要があります。

NST新潟総合テレビ
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