J2リーグで参入3年目を迎えたいわきFCは、開幕から9戦未勝利という苦しい船出となったが、前半戦終了で4勝7分8敗の15位。「セットプレーからの得点数」ではリーグ1位の強みを持ちながら巻き返しに挑む。重要な後半戦への切り札として期限付き加入の2選手を迎え、高みを目指す。

■苦闘の序盤

J2参入3年目となった、いわきFC。昨シーズンの9位以上へ弾みをつけたい序盤戦だったが…第1節(2月15日)千葉戦で黒星を喫すると…まさかの開幕から9戦未勝利で最下位に転落。しかし第10節(4月20日)の富山戦で初勝利をあげ、ここからいわきの逆襲がはじまった。長崎・大宮と強敵を撃破し3連勝。その後、勝ちきれない日々が続いたが第18節(6月1日)の熊本戦では、熊田選手の豪快なオーバーヘッドを皮切りに、今シーズン最多となる5得点。これまでのうっぷんを晴らすかのような快勝だった。

いわきFCの田村雄三監督は「順位もよくないですし、掲げていた目標も達成していない。皆さんが思っている通り、良くない前半だった。でも逆に課題は明確にわかっているので、しっかりそれをトレーニングして克服して、後期をむかえる」と語る。
現在J2リーグは半分の19節まで終わって、いわきは4勝7分8敗の15位。これから勝負の後半戦へと入っていく。

■後半戦の切り札 キム・ヒョンウ選手

その後半戦、巻き返しの切り札となるか!? 6月にはチームに新戦力が加入した。
大分から期限付きで加入したキム・ヒョンウ選手。高校から日本で過ごし、プロ2年目を迎えた若き点取り屋だ。
キム・ヒョンウ選手は「フォワードなので、ゴール前の嗅覚や決定力は注目してほしい」と話す。その言葉通り、前節・山口戦でいわきデビューを飾ると、貴重な勝ち越し弾に渾身のガッツポーズを見せた。「結果としてゴールを決められたことは、すごくよかったと思う。自分の特徴をチームメイトにも、いろんな人にも見せられたかなと思う」とキム選手はいう。

鮮烈ないわきデビューを果たしたキム選手。田村監督もフォワード陣の競争が活性化することを期待していて、キム選手の活躍が後半戦で上位に浮上していくためのひとつのカギを握りそうだ。
「チームから求められることは、やはり得点だと思う。後半戦でしっかり巻き返していかないといけない中で、自分のパワーをもっと出して、チームのプラスになれるように頑張っていきたい」とキム選手は語った。

■GK佐々木雅士選手が期限付き移籍

そしてもう1人、J1・柏からゴールキーパーの佐々木雅士選手が、6月から期限付きで加入した。若い時から年代別の日本代表に選ばれ続けてきた逸材だ。
頼もしい選手が加わり、後半戦の巻き返しへさらなる期待が高まる。

■いわきFCの注目ポイント

前半戦は15位で終えたが、実は「J2で1位」というデータも数多く存在する。
まず攻撃。いわきは「セットプレー」に強い。J2屈指の精度を誇るキッカー山下選手は、少し距離があっても味方にどんぴしゃ。コーナーキックも味方にピンポイント。一方で、五十嵐選手のロングスローも大きな武器となっている。いわきは、ここまでセットプレーから14得点でリーグ1位となっている。
続いては守備。時には顔でも…執念の体を張った「ブロック」。そしてボールを持つ相手に強烈な「タックル」で攻撃阻止。ボールを奪ってからのカウンターも強力だ。
この「セットプレー」「ブロック」「タックル」3つのポイントを後半戦で注目してみてほしい。

後半戦はいよいよ6月21日からはじまる。今シーズン初勝利をあげた相手=富山とホームで戦う。夏でも“90分間止まらない倒れない”いわきらしいサッカーを見てくれるはずだ。

福島テレビ
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