気象庁などは熱中症対策としてエアコンを使うよう呼びかけていますが、みなさんはちゃんと掃除しているでしょうか?夏本番を前に家庭でもできる掃除のポイントと節電のコツをプロに聞きました。

■暑さ本格化する前に「試運転」を

6月10日、梅雨入りした関東甲信地方。このあと、じめじめした暑さが続きそうです。そして、梅雨が終われば夏本番に。

気象庁によりますと、6月から8月の気温は全国的に平年以上で、2025年は「暑い夏」になると予想しています。

これから使う機会が増えるエアコン。暑さが本格化する前の今の時期に手入れを済ませておく必要があります。

家電大手・三菱電機の調査では20%以上の人が「夏にエアコンが故障したことがある」と回答しています。

また、エアコンの修理や設置を業者に依頼してから1週間以上待ったという人は約4割にのぼります。

夏は業者の繁忙期のため、修理や掃除の依頼にすぐに対応できないことが多く、まずは今の時期に「試運転」を行い、異常がないか確認すること。

そして、できるだけ家庭でも定期的に掃除することが重要です。

街の人は―

街の人:
「あまり丁寧には(掃除)できてない、フィルターの水洗いをしたくらい」
「大変ですよね。でもやらないとね、気持ち悪いし」
「ちょっと心配なんですよ。自分では(掃除を)やってるけど、(購入して)10年過ぎるから、そろそろ業者にお願いしようかな」

■家庭でできる掃除のポイント

駒ヶ根市の原冷熱工業でエアコンのクリーニングを行う須甲麻里名さんです。

原冷熱工業・須甲麻里名さん:
「(汚れは)主にカビが多いかな。(キッチンが近い)リビングになってくると、油のべたついた汚れが付いてきます」

6月に入り、クリーニングの依頼は増加中。伊那市の住宅での作業の様子を見せてもらいながら家庭でできる掃除のポイントを聞きました。

まずはフィルターや外側のカバーを取り外します。すると、大量のほこりが。ほこりはエアコンの性能を落とす原因にもなります。

■フィルターはこすらず洗い流す

フィルターや「掃除機能」がある機種に付いている「ダストボックス」にたまったほこりを掃除機で吸っていきます。

目立ったほこりを取ったら、細かいほこりを水で洗い流します。

原冷熱工業・須甲麻里名さん:
「お風呂場で、シャワーとかで(フィルターの)裏面から当てるとほこりが落ちやすい」

油汚れには中性洗剤をつけたスポンジを使います。

原冷熱工業・須甲麻里名さん:
「こすっていって落とすような感じですね」

落ちにくい場合は「つけおき」が効果的。ブラシなどで強くこするのは穴が開くおそれがあるため、おすすめしないということです。

見違えるほどきれいになりました。

フィルターの掃除は2週間に1回行うと効果的だということです。

そのほかの部品も中性洗剤を使って汚れを落とします。

■内部のカビの除去は業者に依頼を

続いては、エアコン内部のクリーニング。

須甲麻里名さん:
「これが動いて、風を送り出すファン。上(フィルター)も、ほこりがすごいんですけど、中のファンにカビとかがたまって汚れる」

ファンについたカビはアレルギー症状を引き起こすリスクがあります。専用の薬剤を吹きかけたあと、水で洗い流します。

原冷熱工業・須甲麻里名さん:
「真っ黒い水が出てきているので汚れがちゃんと落ちたかなと」

水が電子部品などにかかると故障の原因にもなるため、内部の洗浄は業者に頼むのがおすすめです。シーズン前に年1回ほど行ってほしいとしています。

家庭ではエアコン掃除専用のブラシなどで吹き出し口を拭いてほしいということです。

外したフィルターやパーツを戻したら、掃除は完了です。

■カビ予防に「送風運転」を

実際に使い始めてからも重要なポイントがあります。

カビの発生を防ぐために「冷房」使用後は毎回1時間程度「送風運転」を行うことを呼びかけています。

原冷熱工業・須甲麻里名さん:
「冷房だと中が湿った状態になるので、それをしっかりと乾燥させるために、送風運転をしっかりしていただくと一番効果的かなと思います」

■節電のポイントは?

さて、物価高が続く中、気になるのが「電気代」。節電のポイントも教えてもらいました。

風向・風量は?

原冷熱工業・須甲麻里名さん:
「風向きは、水平かちょっと上ぐらいがいいって言われていますね。暖かい空気が上に行くので、なるべくそうならないように」

一般的なエアコンは高い位置に温度センサーがあるため、床付近が十分涼しくなっていても天井に暖かい空気がたまると、さらに温度を下げようと必要以上に運転してしまいます。それを防ぐために風向きは水平か上向きに。

また、風量は「自動」が良いということです。

原冷熱工業・須甲麻里名さん:
「“弱”とか“静香”というような設定があるんですけど、それだと設定温度に達するまでにずっとゆっくり動き続けなきゃいけないので、余計に電力がかかってしまう傾向にある。なるべく自動運転にしていただいた方がいいかなと思います」

さらに、1時間以内の外出であれば、電源の「つけっぱなし」がおすすめです。

原冷熱工業・須甲麻里名さん:
「エアコンをつけた時に一番電力を使って動き始めるので、なるべく電源のオンオフをなくすために、1時間以内の外出であればつけっぱなしにしていただくのがおすす」

エアコンの掃除や節電の工夫をして夏を乗り切りましょう。

原冷熱工業・須甲麻里名さん:
「エアコンで快適に過ごしていただくためにも、エアコンクリーニングで1度全部綺麗にしていただいてから、これから本格的な夏を過ごしていただくのがよろしいかなと」

長野放送
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