昨夜、広島空港で、乗客を乗せた全日空機が工事中の誘導路に進入して車輪にコンクリート製の台座を乗り越え緊急停止し、走行できなくなった事故で、機内に居合わせた乗客が、飛行機から降りるまでの一部始終を語りました。
【トラブル直後 機長の機内アナウンス】
「ご不便、ご迷惑をおかけしていることを重ねてお詫び致します。先ほどコンクリート片が機体の一部右側の車輪にかんでしまった影響で現在、当該航空機、地上移動が不可能となっています」
きのうのトラブル、異変が起きたのは着陸し、ターミナルに到着する直前でした。
【乗客の奥大地さん】
「着陸は全然普通にして着陸したあとにターミナルに移動するじゃないですか誘導路。そのときに急ブレーキがかかってガッととまって…」
新千歳空港からの仕事帰りだった奥大地さん。
座っていた前方部分の窓からは誘導路に「段差」が見えました。
【乗客:奥大地さん】
「外を見ていて(工事現場が)あるけどなと思ったと同時にガーンと」
「大人ばかりだったので結構落ち着いてざわッとはしましたけど…」
【機内アナウンス】
「このあと牽引車によってターミナルまで到着する予定です」
地上にも作業員が集まり、当初は「牽引車」で機体を引っ張るというアナウンスも流れましたが…
【乗客:奥大地さん】
「この時点では牽引車で動かすといっていたので20分くらいしか経っていなかったので良かったと思っていたらどうやら牽引車が入らない…このあと、色んなことを」
結局、やってきたのは移動式のタラップ。
トラブルから、およそ1時間半後のことでした。
【係員】
「足元に注意して降りてください。足元に注意して降りてください。係員がそのまま誘導します。係員がそのまま誘導します」
アナウンスによって、終始大きな混乱はありませんでしたが、奥さんが驚いたのは、工事現場の段差の寸前で止まっていた「車輪」でした。
【乗客:奥大地さん】
「自分で見直していてあれ落ちていたら怖かったスピード出ていたら怖かったのかな。いまになって怖くなってきた感じ」
コンクリート製の台座を乗り越え、間一髪で段差に転落することを免れた機体。
けが人はいませんでしたが、大きな事故につながりかねない事案だっただけに原因の究明が急がれます。
今回の機体の着陸後の動きを整理します。
新千歳から広島空港に着陸した機体は、滑走路から誘導路に向かっていました。
しかし、今回の機体は直進し続けてしまい誘導路の工事現場に突っ込みました。
当日のほかの着陸した便なんですが、工事現場を迂回するように通っていました。
ただ、今回の新千歳からの機体は先ほど説明したようにまっすぐ突っ込んできました。
中野国交大臣は「当該機が誤って進入をしたことは大変遺憾」「事案の詳細の報告原因究明及び再発防止の検討を指示しております」とコメント。一方、国交省は今回の事故について人が死傷するなどの認定要件に該当しないので、重大インシデントにならないとしています。
なぜ、機体が誤って進入したのが原因の究明が急がれます。