新潟市では昭和50年代に建設された公共施設が多く、老朽化が進んでいます。人口減少が進む中、公共施設の再編に本腰を入れる考えです。
■人口減少・建物の老朽化…“公共施設の再編”急務に
5月20日に開かれた新潟市の財産経営推進本部会議。
【新潟市 中原八一 市長】
「これからの公共施設のあり方を地域の皆様と膝詰めで検討、リスタートさせることが待ったなしという状況」
新潟市の公共施設の年代別の建築件数を見ると、公民館や老人福祉センターなど様々な公共施設が昭和50年代に建築されていて、老朽化が進んでいます。
また、新潟市の公共施設の総面積は270万平方メートルと、政令市の中で最大となっていて、人口減少が進む中、人口に見合った公共施設の再編が急務となっています。
今回、見直しの対象となるのは、公民館やコミュニティセンターなど24種類・915の施設です。
【松村道子キャスター】
「今後のあり方を検討する対象となっている新潟市江南区の大江山農村環境改善センター。1980年に農業従事者の憩いの場として開設されました」
調理室や体育館などを備え、地域住民が集える施設として活用されてきました。このほか、東区の『石山地区公民館』なども検討対象の一つです。
■施設集約・機能移転でより良い形へ
一方、新潟市があり方を検討する上で強調するのは…
【新潟市 中原八一 市長】
「施設を廃止してしまうというふうに、単純に市民の皆さんから思われてしまわないように」
単に廃止するのではなく、今ある施設を集約したり、機能を移転したりするなどしてより良い形を模索するというのです。
その一例が、江南区におととし開設された『曽野木コミュニティセンター』。
老朽化した2つの市立保育園を民間経営の保育園に統合し、新たなコミュニティー施設と同じ敷地に建設。
5月20日、センターの一角で開かれていたのは折り紙教室です。
【おりづるの会メンバー】
「やっぱり歩いていける距離の方が集まりやすい。みんなでおしゃべりしながら気楽にできるのが一番」
週に一回の集まりは参加者の生きがいに。また、宿題をしに訪れた小学生が折り紙教室に飛び入り参加することもあるそうです。
今の市民のニーズにあった公共施設、そして次の世代に負担を残さない公共施設とは…。
今後、中原市長が市民に直接、再編の必要性を説明するほか、商業施設などで市民の声を集めるということです。
【新潟市 中原八一 市長】
「施設のあり方については、大急ぎで市民の皆さんと共有しながら取り組んでいかなければならないタイミングだと思っている」