昭和の暮らしや風景を粘土人形で再現した作品展が、鳥取県日南町の日南町美術館で開かれています。

3世代の家族がちゃぶ台を囲む姿。昭和の食事風景が、人形でほのぼのと表現されています。
昭和が始まって100年になるのを記念して、日南町美術館が開催している「昭和100年記念わたしの情景」。

鳥取県南部町出身の人形作家・安部朱美さんが、昭和時代の情景をテーマに制作した65作品240体の人形が展示されています。
この日は、安部さんによるギャラリートークがあり、作品に込めた思いを語りました。

創作人形作家・安部朱美さん:
温かで豊かな心が息づいていた昭和という一つの時代を、人形に語らせたいと思いながら作ってきた昭和の人形たちです。ご覧いただいて、ほっこりと心の故郷のようなものを感じていただければ嬉しく思います。

1981年に独自の技法で創作粘土人形を作り始めた安部さん。出世作がこちらの作品「かあちゃんよんで」。赤ちゃんに母乳をあげながら子どもたちに絵本を読み聞かせるお母さん。親子のぬくもりを感じさせます。

こちらは懐かしい遊び「馬跳び」。子どもたちの笑い声が聞こえてきそうです。

来場者(10代):
今の雰囲気ではないこととかも人との繋がりとか温かい感じがしました。

来場者(昭和30年代生まれ):
懐かしい感じのするものもあるし、作品がすばらしいなと思って。

また、今もなお世界中で続く紛争に心を痛めて制作した作品も展示されています。

創作人形作家・安部朱美さん:
“昭和100年”でもありますし、今年が戦後80年の年でもあります。なのに世界の各地で戦闘や紛争、クーデターが起きて、たくさんの犠牲者が出て、難民も増え続けています。命と平和の尊さをテーマにつくった3部作です。日本の子どもたちに、こういう思いはさせたくないなと思います。

この作品展は、日南町美術館で6月22日まで開かれています。

TSKさんいん中央テレビ
TSKさんいん中央テレビ

鳥取・島根の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。