2025年11月に東京で開かれる聴覚障がい者のスポーツの祭典「デフリンピック」の陸上日本代表に、松江ろう学校の2人の教諭が選ばれました。
5月15日、松江市の松江ろう学校。校長室に集まった先生たちが見つめたのは、ライブ配信の映像。この日、行われた日本デフ陸上競技協会の会見です。
11月に東京で開かれる聴覚障がい者のスポーツの祭典「デフリンピック」の代表内定選手が発表されます。
その画面をかなり緊張した様子で見つめる2人の先生、足立祥史さんと須山勇希さんです。
松江ろう学校・足立祥史教諭:
やれることはやってきたので、大会で結果を出したりとか。あとはもうどんな結果が発表されても、受け入れるのみ。楽しみでもあります。
松江ろう学校・須山勇希教諭:
朝は緊張はしてなかったんですけど、いざこのモニターを前にすると、少し緊張してきました。選ばれるのを祈って待ちたいなと思っています。
教諭として勤務しながら、世界の舞台を目指す2人。同僚も見守る中、いよいよその時が来ました。
「足立祥史、400メートル」
校長室に歓声と拍手がわき起こりました。
まず足立さんの名前が呼ばれました。
400メートルと400メートルリレー、1600メートルリレーの3種目で代表内定です。
つづいて…
「須山勇希、走幅跳」
須山さんは、走り幅跳びの代表に内定。松江ろう学校から2人の日本代表が選出されました。
松江ろう学校・足立祥史教諭:
自分の名前が呼ばれてほっとしたっていう気持ちと、これからも頑張らないといけないなという気持ちでいます。
松江ろう学校・須山勇希教諭:
すごく今はほっとしている気持ちが大きいです。練習をこれからも積み重ねて、頑張って行きたいなと思っています。
吉報を受け取った2人は早速…
松江ろう学校・足立祥史教諭:
デフリンピック、行きます!」
授業が終わり駆けつけた先生や子どもたちに選出を報告。喜びを分かち合いました。
ともに中学時代に陸上を始めたという2人、短距離が専門の足立さんは2024年7月に台湾で開かれたデフ陸上の世界選手権で400メートルリレーの優勝に貢献。
代表選考会を兼ねた5月上旬の日本デフ陸上選手権400メートルでは、49秒25をマークし2位に入りました。
一方、須山さんは松江ろう学校の卒業生。2024年7月の世界デフ陸上・走り幅跳びで7位入賞、日本デフ陸上では6メートル42をマークし、優勝しました。
世界大会で活躍を重ねてきた実力者の2人ですが、デフリンピックの出場は初めて。
今回は特に自国で開かれる大会だけに、強い思いを持って臨みます。
松江ろう学校・足立祥史教諭:
デフリンピックは知名度がまだまだ低いので、選手だけではなくて、他の関わって下さっているお客さんとかスタッフの1人1人が主役の意識を持って、みなさんで一緒にデフリンピックを盛り上げていけたらいいなと思っています。
東京2025デフリンピックは、11月15日から12日間開催され、21の競技に70を超える国と地域から約3000人の選手が参加する予定です。