秋田市の海浜公園で風力発電の風車のブレードが落下した事故を受けて16日、保守管理を担当していた会社の関係者が取材に応じました。これまで規定通り点検していたということですが、今後の調査結果によっては点検項目を見直す考えを示しました。
この事故は5月2日、秋田市新屋町の新屋海浜公園でさくら風力が設置した陸上風車からブレードが落下したもので、近くで81歳の男性が倒れているのが見つかり、その後死亡しました。男性の死因は体の複数の部分に重い損傷を受ける多発外傷とみられ、警察が事故との関連を調べています。
事故当日には、警察が通報を受ける前に、風車を監視するシステムが強い振動による異常を感知していたことが明らかになっています。
16日は現場で、風車の保守管理にあたる茨城県の日立パワーソリューションズの関係者が取材に応じ、振動による異常は「ブレードが折れたことによるものと推測している」と話しました。
ブレードは2024年に3回点検され、事故が起きる前の最後の点検は2024年11月の目視によるものでした。
また、2025年に入ってからブレードが落下するまでに、監視システムが異常を感知した例はありませんでした。
日立パワーソリューションズ フィールドエンジニアリング部の白濱幸弘部長は「今後の点検については、今回の調査結果を踏まえてそこに対してどう点検していくか、項目について考えていく必要があるかなという段階」と話しました。
ブレードは5月20日から5月いっぱいをめどに現場から撤去される見通しで、日立パワーソリューションズは茨城県内の施設に運び込み、原因究明に向けて調査を進めるとしています。