松江市と出雲市を結ぶ一畑電車が5月1日、新しい回数券を発売しました。その名も「雨の日回数券」、文字通り雨や雪の降る日限定で利用できる回数券です。対象は、中学生以上の生徒・学生。ユニークな回数券の狙いを取材しました。

一畑電鉄・営業主任兼運転士 宅野康平さん:
(雨の日回数券の販売は)おそらく全国でも初めてではないかと思います。

一畑電車の担当者が「全国初」とPRするのは、5月1日に発売された「雨の日回数券」。その名の通り、雨の日、雪の日など悪天候の日限定の回数券です。
中学生以上の生徒と学生が利用できます。

一畑電鉄・営業主任兼運転士 宅野康平さん:
(雨の日回数券の販売は)雨の日にカッパを着て自転車で学校に通われる学生さんを見かけ、このような学生さんに電車をご利用いただくきっかけが提供できないかと思い始めた。

雨の日、車窓越しにずぶ濡れになって自転車を漕ぐ生徒や学生の姿を目にした職員が「そんな日だけでも電車を使ってほしい」と思い、実際に商品化しました。
マイカーの普及や沿線人口の減少などの影響で利用減少に歯止めがかからない一畑電車。
特に新型コロナの影響は大きく、年間約150万人だった利用者は5年前、3分の1近く減少しました。
コロナ禍が収束したあとは観光客を中心に利用が回復しつつありますが、今後は少子化の影響で、収入の柱でもある通学定期の利用者の減少が見込まれ、経営環境は一層厳しさを増しそうです。

一畑電鉄・営業主任兼運転士 宅野康平さん:
雨の日だけでも(電車を)ご利用いただくお客様が増えて、最終的には電車をご利用いただくお客様全体の増加につながれば良いと考えている。

一般的な回数券の場合、11枚セットが10回分の料金で販売され、1回分の運賃が割引になりますが、「雨の日回数券」は、10回分の料金で15枚セット。
通常よりも割安な上、卒業するまで有効期限はありません。
梅雨のシーズンを控え、一畑電車の狙いは当たるのでしょうか…。

自転車通学の高校生:
雨の日は(保護者の)車で行きます。(雨の日回数券)良いと思います、(利用しようか)考えます。

電車通学の高校生:
自転車だと雨の日は大変なので、電車は雨の日すごく助かっていると思います。

ターゲットの高校生には、刺さっているようです。
「雨の日」に当たるかどうかの判断は利用者任せというユニークな「雨の日回数券」、制限かなりゆるめの回数券が鉄道の利用増につながるのか注目です。

TSKさんいん中央テレビ
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