大学の教室に謎のバイト募集チラシが。
大学側が異例の注意喚起をする事態が起きていました。

中央大学の学生:
(Q.このチラシ見たことは?)はい、大講義室で見ました。

問題のチラシが置かれていたのは、東京・八王子市の中央大学・多摩キャンパス。

中央大学 学生生活課・三嶋圭介さん:
教室の机の上にチラシが置かれていた。

週が明けた12日の午前、チラシは教室の机の上に無造作に置かれていたといいます。

中央大学 学生生活課・三嶋圭介さん:
今いる8号館の中以外にも様々な場所に置かれていた。回収できたところだと180枚程度は少なくとも置かれていた。

パソコンを見る女性の下に「家庭教師・模試監督員のアルバイト募集中!」と書かれたチラシ。
裏面を見ると、「家庭教師 週2回 90分 時給2500円」や「初心者でも問題なし!」などのうたい文句が。
さらに、LINEのIDやQRコードが記されています。

家庭教師のバイトについて、中央大学の学生は「高時給って印象」「やってみたいとは思う」と話します。

高い時給をうたう家庭教師のバイト募集。
しかし大学側は、このチラシは無断で配布されたものだとしたうえで、ある危険性を訴えているのです。

中央大学 学生生活課・三嶋圭介さん:
本学は何も連絡を受けていないし、おそらく勝手に入って置かれたものだと思う。チラシを見ても、どの会社が運営しているのか、連絡先含めて何も出ておらず、家庭教師の募集と言いながら、抜き取った個人情報を使って“闇バイト”に誘導とか、可能性もゼロではないと思った。

チラシを見ると、LINEで友達追加をしたうえで、大学名や学部、学年などをメッセージで送信し、アルバイト登録を完了するよう促しています。

しかし、肝心の会社名や住所、そして電話番号などの連絡先の表示は見当たりません。

中央大学の学生は「これがもし教室に置いてあったら、学校が紹介してくれるのかなと感じる。特に怪しいところは見当たらないかな」「(Q.怪しいと思うか?)思いませんでした。個人情報は結構やっちゃう。内容を信じていたら」と話しました。

専門家は、うっかり登録してしまうと闇バイトなどの犯罪に巻き込まれる恐れもあると指摘します。

犯罪ジャーナリスト・多田文明さん:
(相手の)身元が分からないままLINEに誘導されて、つながった相手から仕事を紹介される。(可能性として)個人情報の収集の目的もあるでしょうし、“闇バイト”の募集ということもあり得る。「このアルバイトは締め切ってしまったので他のアルバイトはどうですか?」なんてふうに別のアルバイトを紹介して、それが犯罪行為であることもあり得る。

では、この家庭教師募集チラシに実態があるのか、取材班が実際に記載されたLINEアカウントに登録してみると、「教育アルバイト」と書かれたアカウントが表示されました。

取材を依頼するメッセージを送信しましたが、既読がつくことはありませんでした。

さらに通話を試みましたが、応答がありませんでした。

中央大学学生部は公式Xで注意喚起を投稿。
「個人情報の入力は絶対にしないで」と呼びかけています。

今回の取材を通じて、高額バイトを募集する不審なチラシは他の大学でも配布されていることが確認されています。

犯罪ジャーナリスト・多田文明さん:
大学生が5月に何かアルバイトをしようと思うところにつけ込んでいる気がする。会社名も身元もわからないところに連絡は取らないことが大事。