暑さ対策をするのは人だけではありません。動物たちも毛が生え替わる“クールビズ”の季節を迎えています。仙台市太白区の八木山動物公園では、抜けた毛を使った“ある商品”が今、じわりと人気を集めているそうです。
太白区八木山動物公園です。入り口の近くにある売店には、動物園のオリジナル商品など約450点が並んでいます。
記者リポート
「中でも店頭に出すとすぐに売り切れてしまうというのが、こちらのふわふわのキーホルダーです。園内の動物の毛で作られました」
その名も「らくだま」というキーホールダー。そしてその隣にもう一つ。「ひつじだま」。こちらはヒツジの毛を染めて作られています。では、「らくだま」は何の動物の毛から作られているのでしょうか。
ライオン?レッサーパンダ?
「このふわふわの毛、先ほどの毛の持ち主はラクダでした」
そう!正解は園内で飼育されている「フタコブラクダ」。今、冬の毛から夏の毛に生え替わる「換毛」の時期を迎えています。
中央アジアの砂漠地帯に生息しているフタコブラクダ。昼夜の気温差が激しい砂漠に生きるラクダですが、それに対応するためにも、この「毛」が大きな役割を果しているそうです。
こちらは冬毛の時のラクダ。まるで冬物のセーターを着ているようです。気になる夏の姿は、ツルツルに。これなら暑さも乗り越えられそうです。
八木山動物公園ラクダ飼育担当 柴宏香さん
「ラクダの毛は抜けるんだとびっくりする人が多い。全部抜けると奇妙な生き物の姿になるので…」
これまで捨てていた毛をリサイクルして、新たに商品化したのが「らくだま」です。
八木山動物公園ラクダ飼育担当 柴宏香さん
「寒暖差の激しいところで過ごしているからこその自発的なクールビズ。ラクダの生態を知ってもらうきっかけになってほしい」
モフモフがくせになりそうな「らくだま」。八木山動物公園では、他にもウサギやロバの毛を詰めたミニボトルやシカの角のストラップなどオリジナル商品を販売し、売り上げの一部を動物たちの飼育設備の材料費などに充てているということです。