大阪・関西万博で、会場行きのシャトルバスに乗るために自家用車を駐車する「パークアンドライド駐車場」について、大阪府の吉村知事(博覧会協会副会長)は7日、「実際に使われているのは土日の多い時でも3割程度」として、利用促進のために値下げを提案していました。
これについて12日、博覧会協会の石毛博行事務総長は記者会見で、「効果は単純に想定できるものではないので、今の段階で『検討します』という状況ではない」と述べました。
■パークアンドライド「基本料金は5000円程度」に吉村知事「値下げを」
万博会場へのシャトルバスに乗るため、自家用車などを停めるパークアンドライド駐車場は、大阪市の舞洲、堺市、兵庫県尼崎市の3カ所に設けられていて、時期や時間帯によって変動するものの、基本料金は舞洲で5500円、堺市と尼崎市は5000円に設定されています。(いずれも自家用車。)
これについて博覧会協会の副会長でもある大阪府の吉村知事は、7日の取材で、値下げの必要性を訴えていました。
■吉村知事「平日は1割 土日が非常に多いときでも3割 値下げやるべきでは」
【大阪府 吉村知事】「パークアンドライドを利用しやすくするために価格を引き下げる。今USJであってもディズニーランドであっても、駐車場の料金は3000円台だと思いますよ。万博で5000円以上するというところ、それが基本料金ですから。
そして実際使われてるかというと、平日は1割、そして土日が非常に多いときでも3割と聞いていますので、稼働させないとあまり意味がないかなと思います。
車で行きたい人もいらっしゃると思いますから、何がネックなってるかというと、この値段じゃないかなと思いますので、需要と供給との関係から適正な価格、つまり値下げをするということをやるべきではないか」
吉村知事は「適正な料金」について、東京ディズニーリゾートや会場の近隣にあるユニバーサルスタジオジャパンが「3000円台」だと引き合いに出しています。
■事務総長「想定していたレベルでない」も値下げは「検討しますという状況でない」
これに対し、博覧会協会の石毛博行事務総長は12日の記者会見で、「パークアンドライドの利用状況が想定していたレベルではない」と述べながらも、駐車料金の値下げについては、「今の段階で『はい、検討します』という状況ではない」と述べました。
【博覧会協会の石毛博行事務総長】「パークアンドライドの利用状況が、必ずしも私たちが期待している、想定していたレベルではないという認識は持っていまして、利用促進策、そういうものを検討をしているところです」
(Q.対策の1つとして吉村知事たちからは値下げという話もあるが?)
【博覧会協会 石毛博行事務総長】「いろんなことを同時並行でどんどん改善するものは改善していくというのが私たちの考え方ですから、価格(駐車料金)についても、外すことなく。
ただ、どれぐらい効果あるかってのは実際は、単純に想定できるものではないので、いろんな要素の中の1つとして、考えることはありえますけども、今の段階で『はい、検討します』という状況ではありません」
石毛事務総長は、「パークアンドライドの運営費は88億円かかるという見込みをしていて、収入が追い付かなければ、赤字になる」「値下げがプラスになるのかマイナスになるのか、どのぐらい、どのような効果があるのか、しっかり見ないといけない」とも述べています。