警察に届けられるたくさんの落とし物…落とし物の問い合わせや持ち主の捜索について、業務の改善を図ろうと7日からある取り組みが始まりました。

大きなトカゲや…モモンガなどといった、珍しい生き物。
そして、棚に積まれた段ボールには大量の傘。
これらすべて警察に届けられた”落とし物”です。
実は、こういった多種多様な落とし物への問い合わせなどの対応が、警察署では大きな課題となっています。

この課題軽決にむけて始まった取り組みが…

【電話受け】
「家に帰ってないのに気づいたという感じですか?それが何時くらいですかね?」

7日、県警本部に設置されたのは、「遺失物コールセンター」。
電話やオンラインによる警察への落とし物の問い合わせは、このコールセンターで一括して対応することにー。

県内26の警察署のうち問い合わせが多い17の警察署にかかった電話が転送されます。

【辰已キャスター】
「みなさん1個電話をとって終えたらまた次の電話本当ひっきりなしにかかってきています。落とし物の問い合わせこんなにあるんですね(あ、もしもーし大丈夫ですか?)」

警察によりますと、去年1年間に県内の警察署に届けられた落とし物は、あわせておよそ30万件で、コロナ禍が明け人の動きが活発となった2021年以降、毎年およそ2万件ずつ増えています。

この影響で各警察署での対応が追いついていかないため、県警は今年度、コールセンターを開設し改善に努めていきます。

【県警本部会計課・遠田優子課長補佐】
「こちらで落とされたものとか場所ですとかの詳細を電話受理して、こちらで聞くことによって署でそれを聞かなくてよくなってということで、拾得物の返還作業により専念してもらうという形にしております」

■落とし物 コールセンターが「受付」「照合」、警察署が「調査」に専念

【辰已キャスター】
落とし物でもともと多いものとして、ハンカチ、キーホルダーなどがありますが、最近だと観光客が持ち込んだキャリーケースや電子タバコの増加も目立っているということです。

取材中も電話が鳴りっぱなしだったコールセンター。
具体的にどう警察署の負担軽減につながるのかということですが、落とし物に関する業務は大まかに3つあります。

「こういうものを落とした」などという問い合わせの「受付」
そして、警察で保管している落とし物との「照合」
照合して見つからなければ、落とし物から手がかりを見つけ所有者を探す「調査」

特にこの「受付」が、大変な手間となります。
例えば「財布」と一言でいっても何色か?デザインは?どんなものが入っているか?など細かく特徴を聞かなければならず、長ければ20分かかるということです。

いままではこの業務を警察署ですべて行っていたんですが、7日からコールセンターが「受付」と「照合」を担うことになりました。

ということは・・各警察署はこの「調査」に専念できるというわけです。

【コメンテーター:広島大学法学部長・吉中信人教授】
「警察の負担も軽減されます。効率化されますし、なくした人も早く見つかるということであれば、ウィンウィンでいいのではないか」

去年警察に届けられた落とし物はおよそ30万件、そのうち持ち主の手元に戻ったのは6万件。わずか2割ほどだったそうです。

コールセンターの開設によって、業務を迅速化することによって”返還率の改善”にもつなげたいということですした。

テレビ新広島
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