島根県西部の水族館「しまね海洋館アクアス」では、2024年に生まれたシロイルカの赤ちゃんの元気な姿も見られ、ゴールデンウィーク期間中も多くの来館者でにぎわっています。近くには、食をテーマにした新しい施設も誕生し、家族で楽しめるスポットとして注目されています。

島根県の西部、江津市と浜田市にまたがる「しまね海洋館アクアス」。
約400種、1万点の生き物たちに会える中四国最大級の水族館が2025年4月、開館25周年を迎えました。

坂西美香アナウンサー:
25周年のテーマは、“みんなとみらいへ”。日ごろの感謝を込めて、今年1年様々な企画が予定されています」

記念イヤーを迎えたアクアスではこの春、スペシャルなイベントが用意されています。まずは…。

4月26日から入館券が25周年限定仕様に。
ペンギン、アザラシ、アシカなどアクアスのアイドルたちがあしらわれた5種類の特別デザインです。そして…。

坂西美香アナウンサー:
25周年のタペストリーが、館内のいたるところに飾られています。館内25周年ムード満点です。

そんなアクアスで今も大人気なのが…シロイルカのパフォーマンス。
イルカたちがきれいな泡のリングを口から吹き出すアクアス発祥・“幸せのバブルリング”に…。

飼育員:
シーリャのミラクルリングです!

自分で出した泡のリングをくぐりぬける進化形のパフォーマンスも。
シロイルカはアクアス1の人気者です。
5月3日から6日は通常のパフォーマンスをお休みして、特別イベント。
普段は入ることが出来ないプールのバックヤードを公開、いつもと違う角度から間近にシロイルカを見ることが出来ます。
そして、「今だけ」の光景も…。

坂西美香アナウンサー:
去年アクアスに誕生したシロイルカの赤ちゃん。成長した姿を、こちらの施設で見ることが出来ます。

2024年6月に誕生したオスの赤ちゃん、母親のアンナに寄り添うように泳いでいます。

しまね海洋館アクアス海獣係・藤井梨紗さん:
生まれた時55キロくらいだったんですけど、今推定で170キロくらいあるので、3倍以上には大きくなっていると思います。

甘えたい盛りの赤ちゃん、パフォーマンスが出来るようになるのはまだ先ですが、スタッフは温かくその成長を見守っていきます。

しまね海洋館アクアス海獣係・藤井梨紗さん:
シロイルカの赤ちゃんももちろん見ていただきたいですし、25周年ということで1年間いつ来ていただいても新しい発見や楽しみがあると思いますので、この1年間何度も足を運んでいただきたいなと思っています。

アクアスが開館25周年を迎えた2025年、周辺には「食」をテーマにした新しい施設が揃いました。

坂西美香アナウンサー:
しまね海洋館アクアスの最寄り駅となるのが、こちらのJR波子駅です。このJR波子駅、去年新たに生まれ変わったんです。

JR山陰線の波子駅、アクアスまで歩いてわずか10分ほどの最寄り駅です。
1日2本、特急列車も停車しますが、利用客が減少し、今は無人駅となっています。
そこに2024年、オープンしたのが地元のクラフトビールメーカー「石見麦酒」の醸造所、「駅ナカ」のビール工場です。
駅周辺にかつてのようなにぎわいをと江津市が誘致しました。
市が所有する駅舎を借り受け、約500万円をかけてリフォーム。
かつての駅長室には、大きな醸造用タンクが3基。
「新鮮」なビールを手に、カウンターからホームの様子を眺めることも出来ます。
クラフトビールだけでなく、果実酒やソフトドリンク、さらにはレトルトカレーなどの加工も手がけ、波子駅の新しい名物づくりにも取り組んでいます。

石見麦酒・山口厳雄工場長:
正直ほとんど売れないかなと思ったんですけど、列車を乗り継いで飲みに来たりとか、毎日必ずうちの工場でお土産買ったり、カウンターで飲んだりというお客さんが平日でもいる。

この醸造所の近くには、この春、こんなスポットも…。

ひつじ牧場です。
江津市で3つの牧場を運営する「跡市ひつじ牧場」が第4の牧場をオープンしました。
ぽかぽか陽気のこの日、ヒツジたちの毛が刈りとられました。

跡市ひつじ牧場・石井裕介さん:
草木染をしたり洗ったりして、僕も作家として活動しているので(羊毛フェルトの)キーホルダーだったりとか、そうしたものを作って自家消費しています。

ヒツジたちがのんびり過ごす牧場の敷地は約1000坪。
石見麦酒がそこにあった古民家とともに購入しました。
ビール工場が牧場?その理由は…。

跡市ひつじ牧場・石井裕介さん:
これ(エサ)は石見麦酒さんからいただいた麦芽カス。ヒツジにあげているのはうちくらいだと思います。

醸造所で出る麦芽の絞りカスはこれまで廃棄されていましたが、ヒツジのエサとして
再利用しています。
一方、古民家は…。改装され、2025年4月、スパイス料理店がオープンしました。

CURRY&BEER 山椒魚・中西真誠さん:
お待たせいたしました、麦酒羊肉キーマカレーです。

坂西美香アナウンサー:
いくつものスパイスが混ざりあって、深い味わいになっています。ピリッとした刺激もいいですね。羊のお肉のうまみも十分に溶け込んでいます。

看板メニューは「麦酒羊肉キーマカレー」。
オリジナルのガラムマサラにカルダモン、クミンなど15種類のスパイス、そして…。

CURRY&BEER 山椒魚・中西真誠さん:
隣のひつじ牧場で育った羊の肉を使ったひき肉のカレーです。

絞ったあとの「麦芽」で育てられたヒツジです。
今後、近くに有機栽培の野菜畑も出来るということで、ビール工場をきっかけに、アクアス周辺には「食」の輪が広がり始めています。

石見麦酒・山口厳雄さん:
色んな人がここに集まってきて、また新しい発見をしてもらえればいいかなと。すぐ横に農場を作られるという形で準備スタートしているので、そこで美味しい野菜が出来たらもっともっと町が盛り上がるんじゃないかなと思います。

アクアス開館から25年、さびしかった無人駅の周辺は、食の魅力でにぎわいを取り戻そうとしています。

TSKさんいん中央テレビ
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