4月29日は「昭和の日」です。今年は「昭和100年」にあたりますが、今、Z世代をはじめ、昭和を知らない世代に当時の文化やモノ、昭和レトロが注目されています。

黒電話や、かつて街角にあったホーロー看板の数々。松島レトロ館は、昭和の雑貨コレクションを楽しめる展示館です。意外にも、来館者の多くは20代や30代の、昭和を知らない世代です。

来館者
「1990年です。90年代生まれですよね。自分たちの幼少期よりも昔の世代のはずなんですけども、どこか懐かしくて落ち着くといいますか、とても居心地がいいです」

昭和100年を迎える今、当時の文化やデザインなどが再び注目を集める「昭和レトロブーム」が起きているんです。仙台市内にある大手CDショップでも、昭和の時代によく見かけたあるモノが、再び人気を集めています。

高橋咲良アナウンサー
「入り口を入ってすぐ隣のこちらのコーナーには、昭和の時代に人気だったアナログレコードがたくさん並んでいます」

こちらの店舗では、おととしに売り場をリニューアルした際、アナログレコードコーナーを約3倍に広げました。要因はその売れ行きです。

タワーレコード 仙台パルコ店 レコード担当 早瀬翔さん
「コロナ禍のときより、2倍に売り上げがあります」

こちらのCDショップチェーンだけでなく、日本全体で見てもアナログレコードの売り上げは好調で、去年は昭和最後の年となった1989年を上回る78億円にのぼりました。その背景に、昭和の名盤の再発売や、最近活躍しているアーティストもCDと同時にリリースするなど、「アナログレコードブーム」が起こっています。

タワーレコード 仙台パルコ店 レコード担当 早瀬翔さん
「学生服を着た方も購入されますし、あと大学生とか、いわゆるZ世代っていう方々がご購入されている印象があります」

実際に売り場にいたZ世代に話を聞きました。

来店客
「5枚くらい。(レコード買い始めたのは)最近です。おしゃれだなっていう理由だけで買っていたので。古いものだからちょっとおしゃれに見えるっていうのが魅力かなっていうのはある」

タワーレコード 仙台パルコ店 レコード担当 早瀬翔さん
「今のサブスクリプションで聴くというより、自分でレコード盤を裏返したり、音楽を聞いているなっていうのをやっぱり感じるのはあるかもしれないですね」

なぜZ世代が、昭和にひかれるのでしょうか。

関西学院大学 社会学部 難波功士教授
「いろんなもののスピードがどんどん速くなりすぎているがために、ちょっと時間がかかる、手間がかかるということが今のZ世代にとってみたら、新鮮」

一方で、昭和のまま取り入れるのではなく、「令和的」な部分もあるようです。

関西学院大学 社会学部 難波功士教授
「アナログレコードなんだけど、ブルートゥースにつながっているだとか、古いものを扱いやすいんだけれども、ものすごく面倒くさくないというか、自分たちの情報環境とかメディア環境にもフィットしているようにも、ちょっとずつ改善されているっていうところがいいのかなと思います」

Z世代を虜にし、ブームを巻き起こす昭和レトロ。中には、そんな昭和にひかれて、こんなお店をオープンさせた人がいます。こちらの喫茶店、店内に入ると、まるで昭和の純喫茶にタイムスリップしたかのよう!実はこの喫茶店を作ったのは…。

喫茶ジジホウダン 丹野将紀さん(Q、年齢は?)
「平成6年生まれの30歳です。平成生まれなんですけど、昭和レトロが好きで、こういう昭和レトロな喫茶店をやらせてもらってます」

丹野さんは昭和の魅力にハマる30歳。3年前の昭和の日に間借りで営業を始め、去年、昭和雑貨があふれる喫茶店をオープンしました。

喫茶ジジホウダン 丹野将紀さん
「何か小さい時から昭和レトロなものとかが何か感覚的に好きで、こういう店に行ってみたいみたいなのを再現したくて、自分が好きな昭和レトロなものを、昭和を知らない平成生まれの自分がそれを逆に作ることで、何か面白いお店ができるんじゃないかと思った」

店内には昭和の純喫茶には欠かせなかったであろう、レトロなゲーム機も!昭和50年代にはやったインベーダーゲームに挑戦します。

高橋アナ:なんかすごい、UFOいた。きたきたきた!100!楽しいですね。
丹野さん:楽しいですよね。シンプルなゲームが本当。
高橋アナ:シンプルなのが昭和の良さですね。
丹野さん:癖になりますよね。シンプルゲームがなんかこう何回もやりたくなる。

丹野さんにとって昭和の魅力とは?

喫茶ジジホウダン 丹野将紀さん
「昭和時代の人たちの力強さとかが、モノとか情景とかに結構現れているなと思ってて。その奥にやっぱ人の温かみも一緒に感じられて、惹かれる方が多いのかなっていうのは思いますね、最近。いいところをこう落とし込んでというか、大胆な発想とか表現をしていくっていう感覚とかも大事だなと思って。その良さをどっちも生かせる時代にしたいですね」

仙台放送
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