深刻な運転手不足とオペレーター不足の課題を抱えるタクシー業界。
広島県内の2つのタクシーグループが共同運用によって、より繋がりやすく、より近くからのタクシー手配を可能にしました。
【野川キャスター】
「雨降っているじゃないですか、結構タクシー呼ぼうかなあ」
<タクシー会社にTEL>
「タクシーの配車をお願いしたいんですけど」
【タクシー会社・オペレーター】
「いまどちらにいらっしゃいますか?正面玄関のほうですね」
【野川キャスター】
「はい、おっしゃる通りです」
【オペレーター】
「これから参りますのでお待ちください」
ごく一般的なタクシーの電話での配車依頼。しかし、来月「広島エリア」での移動がより便利になります。
【野川キャスター】
「ありがとうございます。あれ違うタクシー会社さんですね。雨の中、来てもらったのでこれから取材に出発進行!」
広島市に基盤を置くカープタクシーグループと宝塚タクシーグループが始める新しい共同配車サービス「Notte!(ノッテ)」別々のグループ会社が配車室の「窓口」を一本化しました。
【宝塚かもめタクシー・信原賢一 常務】
「まずはお客様に、タクシーが身近な存在にしてもらえるようになればと共同無線というのが必要であると思いまして」
【カープタクシー・平原昌彦 取締役】
「そこに関して我々は客の囲いこみをしているとお客様にとってもドライバーにとっても非効率な営業になっているという共通の認識がありましたので」
同じ配車室から手配できる「保有台数」は2つのグループ合わせておよそ280台。
広島エリアでは最大です。
【野川キャスター】
「タクシーの上には行燈と呼ばれる会社の名前が書かれた器具があるんですが、サービスの対象は『Notte!(ノッテ)』の行燈が目印です」
「配車アプリ」が台頭してきた一方で、電話による対応が追い付かず、カープタクシーのグループだけで1日平均で200件、毎月およそ6000件の依頼に応えられていない現状がありました。
タクシー業界は、いま深刻な運転手不足とオペレーター不足の課題を抱えています。
そのため今回の共同運用によって効率化と集中を図り、より繋がりやくより近くから手配が可能になりました。
【宝塚かもめタクシー・信原賢一 常務】
「高齢者の人が配車アプリを利用するのかなかなか難しい。タクシー台数を10台20台配車をお願いしたいとなかなか無線じゃないとできないと」
【カープタクシー・平原昌彦 取締役】
「ワンストップで、タクシーに乗れる可能性が高くなるメリットがあると思います。配車に関してだけ結びついたという意味では広島では初だと思っています」
広島エリアの新しい共同配車サービス「Notte!(ノッテ)」は来月1日、開始です。
《スタジオ》
【野川キャスター】
今回、新しく二つの別々のグループがタッグを組んだことで、待ち時間が少なくなるというメリットも期待されるんですね。地図をご覧ください。カープタクシーのグループは赤いマークの広島市中心部から廿日市の辺りに拠点があって強いんですけれども、逆に今回タッグを組む宝塚タクシーのグループは、ブルーの印のところですね。広島駅から北側のエリアが強いといった特徴があるんですね。電話でタクシーを呼ぶ場合は同じ番号にかけて、より近くで空車が見つかりやすくなると。こういった仕組みになっているわけです。私の個人的な経験から言いますと朝7時8時、皆さんタクシー乗りたい。特に雨の日なんかは混み合います。そういった状況があるわけで、今回のこの「Notte!(ノッテ)」に関しては、お客さんはよりスムーズに空車が見つかるし、タクシー会社もビジネスチャンスを取りこぼすことも少なくなるということで、まさにお客さんにとってもタクシー会社にとっても良い影響が期待されます。