任期満了に伴う石巻・登米・栗原市長選挙は4月27日、投開票が行われます。このうち、栗原市は中学、高校の同級生による3回目の一騎打ちとなります。「人口減少対策」や「産業振興」が主な争点となっています。

栗原市長選に立候補 現職・佐藤智候補(68)
「栗原市が10年後、20年後を見据え未来を開く。しっかりした市政運営をしなければならない。そのように決意をしております」

現職の佐藤智氏、68歳。合併前の旧築館町時代に役場に入り、財政課長や副市長などを歴任。前回、4年前の選挙で初当選しました。

栗原市長選に立候補 前市長・千葉健司候補(68)
「この4年間、コロナのせいもありましたけど、元気がなくなってしまった栗原市。活力を戻して具体的な政策をもって市民の方にワクワク感をもっていただく政治を展開してまいります」

前市長の千葉健司氏、68歳。栗原市議を1期務めた後、2017年から4年間、市長を務めました。4年ぶりの返り咲きを目指しています。

2人による一騎打ちは今回で3回目。中学、高校の同級生でもある2人は支持層が重なる部分もあり、過去2回の選挙では“僅差の戦い”に…。1回目、2017年の選挙では、42票差で千葉氏が勝利。2回目の2021年の選挙では1484票の差をつけて、今度は佐藤氏が勝利しました。

それぞれが評価する相手の“市政運営”は。

現職・佐藤智候補
「4年間の市政を見た場合、公約に掲げたものがほとんど実行されていない」

前市長・千葉健司候補
「現政権があまりにも未来思考がない。ビジョンのない政治のように考えておりますのでこのままでは栗原の未来がないと感じて出馬に至りました」

平成の大合併から今年で20年。県内で最も広い面積を誇る栗原市は去年、宝島社が調査した「住みたい田舎ベストランキング」で全国1位に。過去にはこんな出来事も…。2018年、仙台を拠点とするパンダライオンが当時のヒット曲、DA PUMPの「U.S.A.」の替え歌として、栗原市版の「I.N.K」を制作。田舎のエピソードを盛り込んだ動画が話題となり、栗原市が全国から注目を浴びることになりました。

しかし、近年、人口減少が加速。合併時8万人いた人口は、先月末の時点で6万人を割り込み、昨年度に生まれた子供の数は174人と20年前と比べ7割減少しました。加えて民間有識者でつくる人口戦略会議が去年、消滅の可能性がある自治体と指摘しました。

市民は次の4年間に何を期待しているのでしょうか。
「若い人が集まってずっと住んでいけるような栗原市にしてほしい」
「企業誘致ですね。居住人口の増加になるし、産業の発展になると思います」

いかに人口を増やし、まちを発展させていくか。

佐藤氏は、2人目以降すべての保育料を無料にするなど、これまでも力を入れてきた子育て世代の負担軽減を訴えます。

現職・佐藤智候補
「学校給食の無償化、出産祝い金の増額とかいろいろ施策を講じてきたが、なかなか少子化が止まっていない。少子化対策に特効薬はないと言われているが、しっかり継続していくことが大切」

千葉氏は婚姻率の低さ対策として、結婚祝い金100万円の贈呈を掲げ、若者に選ばれるまちを目指します。

前市長・千葉健司候補
「結婚したら100万円という起爆剤を作り、よそから若い人を呼び込みながら、栗原で結婚して生活してもらうのが一番大事な政策ではないかと思い、公約に出した。若者にとって魅力あるまちにし、移住者にもやはり栗原市は違うという部分、魅力を見せなければならない」

一方、産業振興については。

現職・佐藤智候補
「ひとつの大きな市街地形成をすることで、移住、定住、そして交流、にぎわいを創出するためにも、くりこま高原駅前を宅地開発なりすべき。それと工業団地、いわゆる働き場の確保はセットだと思う」

前市長・千葉健司候補
「栗原市は農業のまちですから、一次産品を作るのは非常にうまいのですけど、その付加価値がとれることの6次産業化が非常に遅れているということで、このへんにも力を入れながら、“儲かる農業”を目指していきたい」

持続可能なまちづくりを進めるために。次の4年をどちらに託すのか、有権者の判断は4月27日に示されます。

仙台放送
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