死亡した子どもの事例を検証し予防策に活かす「チャイルド・デス・レビュー」の全国展開に向け、有識者検討会の初会合が開かれました。
「CDR=チャイルド・デス・レビュー」は、医療機関や行政などが虐待や睡眠中の窒息、転落など子どもの死亡事例について検証し、社会全体で子どもを守るための予防策に活かすもので、国は、2020年度から一部の都道府県でモデル事業を行っています。
こども家庭庁はきょうCDRの全国展開に向けた課題を整理するため、有識者検討会の初会合を開きました。
検討会では、情報取得に必要な遺族からの同意が得られにくい、警察が捜査中の事例は情報提供がなく十分な検証が難しい、CDRの認知が不十分で必要な情報が得られにくいといった課題が報告され、来年中に議論をとりまとめたい考えです。
また、過去30年の子どもの死因の推移も示され、人口10万人に対しての「事故」による死亡率は、どの年齢でも減少している一方で、10代については「自殺」の死亡率が上昇傾向にあり、現在は最多の死因となっているということです。
2022年度に行われたモデル事業では、三重県や京都府など8自治体で175件の死亡事案を検証の対象として選定し、同意取得のための説明ができた事例は127件でしたが、そのうち同意が得られたのは61件と半数未満(48.0%)に留まりました。
一方、検証の結果、自殺未遂をした子どもへのフォロー体制の構築といった予防策が示されるなど、成果があったとしています。
検討会では、今後、虐待や保育事故など既にある事故調査や検証制度との棲み分けなどについても議論する予定です。