セブン&アイ・ホールディングスの5月末の株主総会後の取締役会での承認後、社長に就任予定のスティーブン・ヘイズ・デイカス氏が、記者団の取材に応じ、今後の経営方針などについて明らかにした。

セブン&アイは、カナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けていて企業価値の向上が急務となっている。デイカス氏は、今のセブン&アイが抱える課題として「スピード感の欠如」を指摘。「小売業は失敗が多い」とした上で、顧客の反応を見ながら、うまくいかない施策は早く見切りをつけるというサイクルこそが“小売の勝ちパターン”だと強調した。

トランプ政権の関税政策については、「経済への影響は少なくない」としつつも、「良い商品を、良い値段で、良い環境で提供すればお客さまは必ず来る」と高付加価値の商品によって、競合他社と差別化を図る姿勢を示した。

さらにデイカス氏は、新たなビジネスチャンスとして「グローバルでの事業拡大」に注力する考えを示した。主力である北米市場や日本市場に続く“第3の柱”となる拠点の構築を進め、各地域のニーズに応じた高付加価値の商品を提供することで、グローバル展開を自らの手で実現したいと意欲を語った。

また、セブン&アイは、伊藤順朗氏が会長に就く人事も発表している。創業家がトップに立つ中でデイカス氏は「チームで会社を経営することが大事」だとし、1人のリーダーに従う経営方針ではなく、今後も継続して成長できる会社にするべくチームでやっていくと意気込んだ。

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