男性の育休取得率が3割にとどまる中、国は4月から支援を拡充していて、企業でも独自の後押しが始まっています。

東京都内に住む富山康平さん(32)と、麻佑花さん(33)の間には、2024年に朔空くん(5カ月)が誕生しました。

富山康平さん:
初めての子どもなので、生まれたらどうなるか漠然とした不安があった。

初めての子育てを夫婦で取り組むため、康平さんは2024年12月から、1カ月間「育休」を取得しました。

富山麻佑花さん:
産後直後ってメンタルとかも変わってくると思うんですけど、2人でまとまった期間一緒に育児できてよかった。

大手ビールメーカーで営業戦略に携わる康平さんは当初、「育休」取得に不安もあったといいます。

富山康平さん:
人に引き継がなきゃいけないのが不安だった。周囲のメンバーにその分、負荷がかかるのは明らかなので。

このような声に対応しようと、康平さんの会社では2024年から新しい制度が始まりました。

1カ月以上、育休で休む社員から仕事を引き継いだ社員に、業務量に応じてポイントを付与し、ボーナスとして還元する育休支援制度です。

康平さんの場合、3人に仕事を引き継ぎ、多い人で約4万円加算される見込みだということです。

仕事を引き継いだ森松健太さん(34):
私も以前(育休を)取得した時に、どうしても申し訳ないなとか。(制度によって)取得する方もそうですし、サポートする方もお互い心の安心は多くなった。

富山康平さん:
一カ月ずっといられたので、どんどん毎日顔が変わってく姿が見られたのは良かった。

これまで、社員の1割強にあたる約260人にボーナスが加算されました。

一方、国も4月から新しい給付金をスタートさせました。

両親ともに14日以上「育休」を取るとそれぞれ最大28日間、これまでより支給額を上乗せし、手取り10割相当を支給します。

収入面の不安を軽減し、男性「育休」を促す狙いです。

社労士の佐藤麻衣子さんは「中小企業だと、大手ほどどうしても賃上げが進んでいるわけではない会社もある。男性育休の課題は、数日しか取らない「見せかけの育休」で、今回の(14日間取得の)制度は中小企業でも一個の目安になる」と話します。

日本全体の従業員の7割が中小企業で働く中、どのように男性「育休」を浸透させていくかが課題となっています。

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