焼く音や甘辛い香りが食欲を刺激するウナギ料理に危機？
パリッと焼かれ身はふっくらジューシー、ごちそうの代名詞「ウナギのかば焼き」がますます手の届かないものになるのでしょうか。

“ウナギ街道”とも呼ばれる千葉・成田山の参道。
多くのウナギ店が軒を連ねています。

成田市にあるウナギ問屋の直営店「うなぎ新川本店」。
リーズナブルにウナギが食べられると人気のお店です。

株式会社丸勝・西勝光治社長：
これが国産の三河産です。これが台湾です。（Q.味が違う？）同じです。育った地域が違うだけ。

画面左から国産・台湾産・中国産のウナギ。
ニホンウナギという品種をそれぞれの地域で養殖したものを仕入れて販売しています。

問題はこの輸入ウナギ。
今、EU（ヨーロッパ連合）が全ての種類のウナギの国際取引を規制する案を準備していることが分かったのです。

この案が目指すのは、絶滅の恐れがある生物の規制をするワシントン条約。
仮に提案が認められれば、国際取引の手続きが複雑になり、これまでより時間がかかってしまう可能性があるといいます。

こうした動きに日本のウナギ店では不安の声が。

株式会社丸勝・西勝光治社長：
輸入する立場とすれば、やりにくくなると。今までみたいにフリーじゃないわけですから。（実現まで）期間があると思う。その間に対策を立てると思います。廃業されるところも出てくるんじゃないかなと。

全ての種類のウナギについて、国際取引の規制が成立した場合、対策しなければ廃業する業者が出てくる恐れもあるといいます。

水産庁の関係者も「輸入に頼っている日本のウナギ市場への影響は避けられない」と警戒感を隠せません。

国内のウナギの供給は約7割を輸入に頼っていて、日本のウナギの流通に影響が出ることが心配されます。

ウナギの保全に詳しい中央大学・海部健三教授は「ワシントン条約とは、消費を禁止するような条約ではない、通常はですね。可決されたら流通量が減るのは確実だと思います。分からないのは、どの程度か？ということですね。ごくシンプルに考えて、流通量が減れば値段は上がるのではないかと思われます。

水産庁は「EUに対し提案の見送りを働きかける」としています。

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