24日午後2時半から開かれた江藤農林水産相による報道関係者向けの備蓄米の試食会です。
米の価格本当に下がるのでしょうか。
JA全農と農林水産相に、青井実キャスターが直撃取材してきました。
政府が、高騰する米の価格を安定させるため放出が続く備蓄米。
24日、用意されたのは令和4年産から6年産のものです。
江藤農水相：
きょうは令和6年産、5年産、今後放出が予定される4年産の3つを用意しました。まずは召し上がっていただきたいと思いますどうぞ。
青井実キャスター：
おいしいです。初めて備蓄米を食べます。
この備蓄米放出はすでに始まっていましたが、23日から3回目の入札が始まりました。
しかし、消費者が購入する米の価格は高止まりしたままです。
買い物客からは「ことしから（子どもが）高校生で、お弁当が始まったのでお米の減りが早くてきつい。前ほどまでいかなくても1000円くらいは安くなってほしい」と依然、不安の声が聞かれました。
21日に農水省が公表した米5kg当たりの平均価格は2024年の同じ時期より2倍以上高い4217円です。
これは前の週より3円高くなっていて、15週連続で最高値を更新しています。
値上がり幅は縮小傾向ですが、3月から行われている備蓄米放出の効果は消費者は感じられていないようです。
実際に備蓄米というのはスーパーに届いているのでしょうか。
ベニースーパー佐野店・赤津友弥本部長：
備蓄米は問屋を通してでもまだ1個も来ていない。1回目・2回目の備蓄米の放出に関しては、私どもみたいな中小スーパーには話が来なかったので、違う国の話みたいだなというような印象を受けた。
放出が始まってからしばらくたちますが、まだ届いていないという備蓄米。
実は先週、農水省は驚きの数字を発表しました。
初回の備蓄米放出の際に落札されたお米のうち、スーパーなどの小売店や飲食店に流通したのは、わずか0.3％ほどにとどまったといいます。
その理由の1つは、備蓄米を扱う一部の卸売業者と取引のない小売店は備蓄米は入荷しづらくなっているとのことです。
また、転売を防ぐため業者間の売り買いもできず、備蓄米の流通に隔たりも出てきています。
3回目の放出からは卸売業者同士の売買が認められましたが、米の価格高騰いつまで続くのでしょうか。
米の流通のキーパーソンに取材を行いました。
これまで放出された備蓄米の多くを落札したJA全農。
米や穀物を扱う部署の藤井部長に聞きました。
備蓄米放出以降、JA全農が個別にテレビ局のインタビューに答えたのは、今回が初めてです。
青井実キャスター：
まず伺いたいのが、なぜ今こんなにお米が高いのか。去年2000円ほどだったのが、（店によって）5000円近くと2倍になっている。消費者側としてびっくり・ショックというのがあるが、全農としてはどう捉えているのか。
JA全農 米穀部・藤井暁部長：
（Q.現在の米の販売価格について）一気に大きく上がったということについては、事実だと考えている。ただ30年ほど前の価格からすれば、ずっと下がり続けてきたということがあるので、行って戻ったという部分もあるんだというふうに考えている。30年間、米の価格が下がり続けてきた中で、国内の生産基盤というのはかなり縮小してきているということもあり、今やっていただいてる（米農家の）方も年齢だいぶ重ねてきていて、生産基盤としてはかなり弱くなりつつあるというところを非常に懸案として考えている。
青井実キャスター：
備蓄米放出も始まっている中で本当に価格が下がるのかというのは、街の人の声を聞いてても出ている。
JA全農 米穀部・藤井暁部長：
（Q.備蓄米放出で価格下がる？）絶対値を言うのがなかなか難しいわけですが、供給が増えるということで行き過ぎた価格が一定に落ち着くといいなというのは我々も望んでいる。だからといって営農が継続できなくなるような線まで下がってしまうのは良くないこと。仮に去年の水準まで戻ってしまえば営農を続けられない人がどんどん増えてきてしまう状況になってしまうので、そこではなく、しっかり意欲を持って続けられる線もまずは目指していく必要がある。
一体、米はいつどうしたら安くなるのか、24日午後、青井キャスターが江藤農水相を直撃してきました。
青井実キャスター：
いつになったらお米の価格は下がるのか。
江藤農水相：
それは私から断定的に申し上げることはできない。全てはマーケットでありますから、様々な思惑を持たれてお米を持ってらっしゃる方々がいる。備蓄米だけで勝負するということであれば、3000円とかの値段に落ち着かせることができるんでしょう。備蓄米を出したからドカンと（価格が）下がることはなかなかないというのは、卸の方々が自分たちで買い付けた値段がある。買い付けた値段を赤（字）で出すのか、これは商売されている方の判断。
青井実キャスター：
今回、備蓄米初めて食べたんですけど、個人的には味は遜色なかったなと感じました。ただ、その備蓄米、皆さんの手元にいつ届くのかと聞いたんですが、明確な時期はありませんでした。ですが、今のお米が古米に切り替える7月ごろが1つのタイミングだというように受け止めました。大臣、備蓄米は国民の財産とおっしゃっていたんですがであるならば、早く国民のもとに、量も価格も手に入れやすい状況になってほしいなと切に思いました。大臣、お願いします。
