茨城県で相次ぐ水田のバルブ窃盗。
米不足が深刻な中、2025年の稲の生育にも影響が心配されています。
茨城県の南部に位置する行方市。
この地区にある田んぼは約500枚で、1枚につき1つ程度、真ちゅう製のバルブがついていましたが…。
麻生土地改良区・堀井達之理事長:
水道用の蛇口・バルブ部分。これを盗まれた。去年11月に1回あって、ことしに入って2月、数量的には両方合わせて100個を超えた。
田植えが終わり、水が張られた状態の水田。
水が勢いよく出ている場所がありますが、バルブをよく見てみると、プラスチック製の真新しいものに交換されていました。
被害があったのは2024年11月と2025年2月。
合わせて116個が盗まれました。
被害額は1個当たり2500円、合計29万円相当。
警察によると、県内で起きている被害は2025年に入ってから、4月20日までに625個に上っているということです。
今回、事件が起きた時期は稲刈りなどが終わった農閑期でした。
田植えが終わった今のタイミングであれば、稲の生育にも影響が出ていたといいます。
麻生土地改良区・堀井理事長:
稲の花が咲いて、その時水をたくさん吸う。その時に水を足さないといけない。でも手前で水が出しっぱなしになると、生育に問題が出てくる。
高騰する金属を狙ったとみられる犯行に、堀井理事長は「『この忙しい時になんでこんな面倒なことさせんだ』」という思い。『盗んでいくらになんだよ、お前らは』って」と話します。
別の米農家は、田んぼに水を張っている最中にバルブを盗まれたため、水の量を調整できなくなったといいます。
米農家:
(バルブは)命のもと。水がないと稲ができない。それを盗むんだから一番怒りを覚える。
警察は、売りさばく目的で盗んだとみて捜査しています。