21日、国会で行われた参議院予算委員会の場に”史上初めて”現職の国会議員が参考人招致を受けた。

呼ばれたのは和歌山2区選出の世耕弘成衆議院議員。
”自民党の裏金問題”安倍派の元幹部としてその真相は語られたのか。

■石破首相「弱い人々、弱い産業にしわ寄せを押し付けるということはいたしません」
【石破茂首相】「大統領自ら最初から出てくるというのを、私は見たことがございません」「世の中、何でも起こりうるということを改めて肝に銘じて、これから先やってまいらねばならない」
21日行われた参議院予算委員会で、アメリカのトランプ大統領が日米交渉にサプライズ登場したことをこう振り返った石破首相。
改めて、日本の国益を守る考えを示した。
【石破茂首相】「弱い人々、弱い産業にしわ寄せを押し付けるということはいたしません」
そして午後には、史上初めてのことが…

■”身内”の自民議員からも厳しい追及
【参院予算委員会・鶴保庸介委員長】「世耕弘成くんから意見を求めることとします」
自民党・旧安倍派の政治資金パーティーの収入が一部、収支報告書に記載されず、所属議員に「キックバック」されていた問題。
当時、自民党参院幹事長で、安倍派の”5人衆”と言われた世耕弘成議員が、現職の国会議員として初めて予算委員会に参考人招致された。
質疑の焦点は、2022年の4月7日に安倍元首相の指示で一度は廃止された”キックバック”を誰が復活させたのか。
”身内”、つまりこの問題で利用するまで所属していた、自民党の議員からも厳しい追及を受けた。
【自民党・佐藤正久参院議員】「違法性の認識について伺います」
キックバックの違法性について問われた世耕議員ですが、それ以前にキックバックが行われていること自体を知らなかったと述べ…。
【世耕弘成衆院議員】「4月7日、安倍総理がオーバー分を現金による還付はしないとおっしゃった時に、私は『あー、オーバーしてる人もいるんだ。そのオーバーしてる分を現金で受け取ってるんだ』と。当然収支報告に載ってるんだと思ってしまった」
安倍元首相が還付をやめろと指示して初めてキックバックの存在を知ったと主張。
世耕議員はさらに、自身の事務所が還付金を受け取っていたことについて。
【世耕弘成衆院議員】「私自身が自分の事務所をチェックしていれば発見できた、あれ、こんなに返ってきているじゃないか。返ってきていること自体私は知らなかった。チェックが甘かった。今、深く悔いているところであります」

■「議会人として、予算を年度内に成立させるために」
そもそも、きょう=21日の参考人招致は、予算成立の条件として、野党側が求めたもの。
世耕議員は、出席を決意したことについて、その胸中を明かした。
【世耕弘成衆院議員】「議会人として、予算を年度内に成立させないといけない、これが遅れると国民生活に甚大な影響を与える、それを防ぐために私の参考人招致が全会一致で議決されたのであれば、これは、受けさせてもらうべきだと考え、きょう来た」
しかし、国民の不審を招く、根本的な要因となっている、自身にキックバックされた金について問われると。
【立憲民主党・吉川沙織参院議員】「還付金の額は?」
【世耕弘成衆院議員】「トータルで1542万円」
【立憲民主党・吉川沙織参院議員】「合計をうかがっているわけではない。各年ごとに教えてください」
【世耕弘成衆院議員】「すいません。今、データを持ち合わせていない」
【立憲民主党・吉川沙織参院議員】「これまで、29人に話を伺ったが、自分の還付金の額を知らないと答えた人はいない。それは、ここに臨む態度としては、残念」
【世耕弘成衆院議員】「5年分の総額は、把握してきたわけだが…きょうは8月5日の問題が焦点かと思い…あ、ありました!」

■「ここで、推理や憶測を披露、するわけにはいきませんので」
また、肝心の「誰がキックバックを再開させたのか」については・・・
【立憲民主党・吉川沙織参院議員】「(別の参考人が)還付再開について、『現職の議員が決めたわけではない』とおっしゃっています。世耕議員はどっちだと思いますか」
【世耕弘成衆院議員】「ここで、推理や憶測を披露、するわけにはいきませんので、申し上げるのは控えたい」
21日も、答えることはなかった。
問題発覚から、1年半。
”裏金問題”の真相は、いまだはっきりとしない。

■石破政権 約6割が半年以内の退陣求める
トランプ関税、はっきりしない「裏金問題」。課題山積の中、FNNではこの週末に世論調査を実施した。
【石破首相にいつまで首相を続けて欲しい?】
すぐに交代 20.9%
夏の参院選まで 37.9%
年内 22.4%
できるだけ長く 16.1%

■国民民主の支持率 立憲・維新を上回る
「減税」が政局を左右する話題としてあがる中、政党支持率では国民民主党が立憲民主党・日本維新の会を上回り、れいわ新選組が維新を上回っている。
【政党支持率】
自民 22.9%
国民民主 11.4%
立憲 7.6%
れいわ 3.7%
維新 2.8%
公明 2.6%
共産 2.5%
参政 1.4%
保守 0.9%
社民 0.6%
支持政党なし 39.4%
