万博でも話題になったミラノ・コルティナオリンピックで、金メダルの期待がかかる、大阪出身の平野流佳(ひらのるか)選手。
その原動力は、3年前に味わった悔しさと、ライバルの存在だった。

■10カ月後開催ミラノ五輪 金メダル期待の大阪市出身・平野流佳選手
大阪・関西万博の開幕とともに、イタリア館で公開が始まったのは…ミラノ・コルティナオリンピックの聖火トーチ。
およそ10カ月後に迫った夢の舞台。
関西には金メダルを期待される選手がいるのだ。
大阪市出身、スノーボードハーフパイプ・平野流佳選手(23)。
4月上旬。世界選手権から帰国後すぐに、合宿を行っていた。
スノーボードハーフパイプ 平野流佳選手:(遠征の時)ヨーロッパがつらいですね、飛行機が長くてキツイですね。
(Q.日本に帰ってくると安心する?)
スノーボードハーフパイプ 平野流佳選手:そうですね。ごはん食べすぎますね、日本に帰ってくると(笑)
インタビューで見せたこの笑顔。しかし、3年前は真逆の表情だった。

■初出場のオリンピックは‥「初めて負けて泣いた」
当時19歳、「メダル候補」と期待され、初めて出場したオリンピック。
実況:ここです、ここでバックサイドダブルコーク1260!ダメだ…頭を抱えました平野流佳…。
決勝3本の演技全てで転倒。12人中12位に終わった。
スノーボードハーフパイプ 平野流佳選手(2022年3月):今まで負けてあんなに悔しかった大会はない。初めて大会で負けて泣いた。
あの悔しさをバネに、様々な大会で経験を積んできた流佳選手。次のオリンピックに向けて確かな手ごたえを掴んでいた。

■3年間で成長したのは「自信」 課題は「スイッチバック」
3月の日本選手権では、難易度の高いエアを次々と披露し優勝!そして、世界の舞台では、3月の世界選手権で初の銀メダルを獲得!ワールドカップは種目別総合3連覇と、好成績をおさめている。
この3年で一番成長したところは…。
スノーボードハーフパイプ 平野流佳選手:自信ですかね。決められるか分からないと思った時は、決められなかったのですけど、最近は2本こけて追い込まれてても、3本目を決めきれると自信を持っているので、そこは大きい。
オリンピックで勝つため、新たな技にも挑戦。
北京オリンピックで平野歩夢選手の金メダルのカギとなった、最高難度の大技「トリプルコーク1440」。軸を斜めにして縦に3回転、横に4回転するというこの大技も、自分のものに。

さらに、世界で戦ってきたからこそ見えた課題もあった。
スノーボードハーフパイプ 平野流佳選手:トリプルコーク1つじゃ勝ちきれない試合もあった。スイッチバックの技をレベルアップしたいと思う。
「スイッチバック」とは通常と逆向きのスタンスから入り、前ではなく、難しい背中側から回る踏み切り方で、流佳選手の得意技。
この精度を高めることで高得点につなげたいと考えている。

■言い合える「ライバル」 互いを高め合う関係
こうして絶え間なく技を磨き続けられるのは、いつも近くに「ライバル」の存在があるからだ。
2大会連続でオリンピックに出場した戸塚優斗選手(23)。2人は子供のころから教え合い、お互いを高め合ってきた。
戸塚優斗選手:スイッチバックとキャブ。俺と流佳、分かれているんですよ。得意なのが別々で。合体したら最強になる(笑)。
平野流佳選手:その通り逆ですね。自分が苦手な方が、優斗が得意みたいな。
戸塚優斗選手:お互い言い合えるんですよ。
平野流佳選手:教えられる。
戸塚優斗選手:それはデカいですね。

■「どんどん日本人が強くなっている」 悔しさを晴らし、夢の頂へ
さらに日本勢では、平野歩夢選手がオリンピック連覇を狙っている。
スノーボードハーフパイプ 平野流佳選手:(平野歩夢選手は)昔から見てきて、スゴいしか出てこなかったですけど、最近は同じ舞台で戦っていて、絶対に勝たなきゃいけない相手。海外選手というよりは、日本に強い選手がいる。(五輪などの)枠とかの争いで、お互いプッシュし合って、どんどん日本人が強くなっていると思う。
あの悔しさを晴らせる舞台は、オリンピックだけ。
さらに技の完成度を上げ、目指すは夢の頂き!
スノーボードハーフパイプ 平野流佳選手:自分がやりたいルーティーンを完璧に決めきる。それを目標にがんばりたい。
(関西テレビ「newsランナー」2025年4月21日放送)
