万博でも話題になったミラノ・コルティナオリンピックで、金メダルの期待がかかる、大阪出身の平野流佳(ひらのるか)選手。

その原動力は、3年前に味わった悔しさと、ライバルの存在だった。

大阪市出身、スノーボードハーフパイプ・平野流佳選手(23)
大阪市出身、スノーボードハーフパイプ・平野流佳選手(23)
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■10カ月後開催ミラノ五輪 金メダル期待の大阪市出身・平野流佳選手

大阪・関西万博の開幕とともに、イタリア館で公開が始まったのは…ミラノ・コルティナオリンピックの聖火トーチ。

およそ10カ月後に迫った夢の舞台。

関西には金メダルを期待される選手がいるのだ。

大阪市出身、スノーボードハーフパイプ・平野流佳選手(23)。

4月上旬。世界選手権から帰国後すぐに、合宿を行っていた。

スノーボードハーフパイプ 平野流佳選手:(遠征の時)ヨーロッパがつらいですね、飛行機が長くてキツイですね。

(Q.日本に帰ってくると安心する?)
スノーボードハーフパイプ 平野流佳選手:そうですね。ごはん食べすぎますね、日本に帰ってくると(笑)

インタビューで見せたこの笑顔。しかし、3年前は真逆の表情だった。

大阪市出身、スノーボードハーフパイプ・平野流佳選手(23)
大阪市出身、スノーボードハーフパイプ・平野流佳選手(23)

■初出場のオリンピックは‥「初めて負けて泣いた」

当時19歳、「メダル候補」と期待され、初めて出場したオリンピック。

実況:ここです、ここでバックサイドダブルコーク1260!ダメだ…頭を抱えました平野流佳…。

決勝3本の演技全てで転倒。12人中12位に終わった。

スノーボードハーフパイプ 平野流佳選手(2022年3月):今まで負けてあんなに悔しかった大会はない。初めて大会で負けて泣いた。

あの悔しさをバネに、様々な大会で経験を積んできた流佳選手。次のオリンピックに向けて確かな手ごたえを掴んでいた。

大阪市出身、スノーボードハーフパイプ・平野流佳選手(23)
大阪市出身、スノーボードハーフパイプ・平野流佳選手(23)

■3年間で成長したのは「自信」 課題は「スイッチバック」

3月の日本選手権では、難易度の高いエアを次々と披露し優勝!そして、世界の舞台では、3月の世界選手権で初の銀メダルを獲得!ワールドカップは種目別総合3連覇と、好成績をおさめている。

この3年で一番成長したところは…。

スノーボードハーフパイプ 平野流佳選手:自信ですかね。決められるか分からないと思った時は、決められなかったのですけど、最近は2本こけて追い込まれてても、3本目を決めきれると自信を持っているので、そこは大きい。

オリンピックで勝つため、新たな技にも挑戦。

北京オリンピックで平野歩夢選手の金メダルのカギとなった、最高難度の大技「トリプルコーク1440」。軸を斜めにして縦に3回転、横に4回転するというこの大技も、自分のものに。

大阪市出身、スノーボードハーフパイプ・平野流佳選手(23)
大阪市出身、スノーボードハーフパイプ・平野流佳選手(23)

さらに、世界で戦ってきたからこそ見えた課題もあった。

スノーボードハーフパイプ 平野流佳選手:トリプルコーク1つじゃ勝ちきれない試合もあった。スイッチバックの技をレベルアップしたいと思う。

「スイッチバック」とは通常と逆向きのスタンスから入り、前ではなく、難しい背中側から回る踏み切り方で、流佳選手の得意技。

この精度を高めることで高得点につなげたいと考えている。

技の精度を高め高得点につなげたい
技の精度を高め高得点につなげたい

■言い合える「ライバル」 互いを高め合う関係

こうして絶え間なく技を磨き続けられるのは、いつも近くに「ライバル」の存在があるからだ。

2大会連続でオリンピックに出場した戸塚優斗選手(23)。2人は子供のころから教え合い、お互いを高め合ってきた。

戸塚優斗選手:スイッチバックとキャブ。俺と流佳、分かれているんですよ。得意なのが別々で。合体したら最強になる(笑)。
平野流佳選手:その通り逆ですね。自分が苦手な方が、優斗が得意みたいな。
戸塚優斗選手:お互い言い合えるんですよ。
平野流佳選手:教えられる。
戸塚優斗選手:それはデカいですね。

平野流佳選手のライバル戸塚優斗選手
平野流佳選手のライバル戸塚優斗選手

■「どんどん日本人が強くなっている」 悔しさを晴らし、夢の頂へ

さらに日本勢では、平野歩夢選手がオリンピック連覇を狙っている。

スノーボードハーフパイプ 平野流佳選手:(平野歩夢選手は)昔から見てきて、スゴいしか出てこなかったですけど、最近は同じ舞台で戦っていて、絶対に勝たなきゃいけない相手。海外選手というよりは、日本に強い選手がいる。(五輪などの)枠とかの争いで、お互いプッシュし合って、どんどん日本人が強くなっていると思う。

あの悔しさを晴らせる舞台は、オリンピックだけ。

さらに技の完成度を上げ、目指すは夢の頂き!

スノーボードハーフパイプ 平野流佳選手:自分がやりたいルーティーンを完璧に決めきる。それを目標にがんばりたい。

(関西テレビ「newsランナー」2025年4月21日放送)

大阪市出身、スノーボードハーフパイプ・平野流佳選手(23)
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関西テレビ
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