トランプ関税などの影響で、急速に進む円高。
21日の円相場は一時、約7カ月ぶりに1ドル=140円台にまで値上がりしました。
街で聞かれたのは喜びの声。
今週末から始まるゴールデンウィークに海外旅行を予定している人は、さらなる円高に期待を寄せていました。
3月後半は1ドル=150円前後で推移していた為替相場。
しかし、トランプ関税による先行き不安の影響で10円近く円高が進行。
これにより、普段の買い物にも変化が表れる可能性があります。
スーパーアキダイ関町本店・秋葉弘道社長:
私たちスーパーにとっても喜ばしいことではあります。どんどん安く出る場面が出てくると思うので。
この円高によって、どのような食料品がお得に買えるようになるのでしょうか。
スーパーアキダイ関町本店・秋葉社長:
例えばこちら、アメリカ産のネーブル(オレンジ)。値段も100円くらい安くなったりする可能性もある。あと他にバナナですね。以前は5本くらいで売ってたのが、いま3本になっちゃってます。これが4本になって、もしかしたら5本になるかもという期待感があります。
この物価高の中、値下がりが期待できるのはフルーツなど、海外から輸入している生鮮食品。
それだけではありません。
スーパーアキダイ関町本店・秋葉社長:
一番影響あるのはこちらですね。ステーキ。2~3カ月後にアメリカンビーフが復活して、バーンと特売される機会は色々なスーパーでもでてくる可能性はある。
今後、円高傾向はどう推移していくのか。
専門家は、140円台からさらに円高が進むとみています。
食材も安くなるんじゃないかということですが、いつごろ安くなるのか。
詳しく見ていきます。
まず円の推移ですが、3月後半150円前後だった円相場が円高になっていまして、21日の東京外国為替市場の円相場、1ドル=140円台ということで、2024年9月以来の水準となりました。
では、この円高がどこまで進むのかに関して、第一生命経済研究所の首席エコノミスト・永濱利廣さんに聞きました。
2パターンありますが、まず1つ目。
アメリカが追加関税をどんどん上乗せして、将来的な金融危機などの可能性が出てきた場合は、120円くらいまで円高になる可能性があると。
ただ、逆に関税などが撤廃となれば、150円くらいまで円安に進む可能性もある。
なかなか読みは難しいと思いますが、円高の影響が価格に反映されるのはいつごろなんでしょうか?
例を挙げながら見ていきたいと思います。
円高で安くなるもの、例えば、すぐに感じられるのが永濱さんによると「ガソリン」です。
ゴールデンウィークに車でお出かけされる方も多いと思いますが、ゴールデンウィークにかけて値段が下がってくるということです。
4月14日現在のレギュラーガソリンの全国平均小売価格は186円50銭ということですが、2023年9月に記録した最高値に並びました。
これがゴールデンウィークごろになると、永濱さんによると、補助金なしで180円前半くらい、6円ぐらい値下がりになるのではと。
ガソリン以外にも、アメリカから輸入している食料品が安くなるということでした。
生鮮食品は、これから1カ月後くらいに値下げになる見込みです。
例えばアメリカから輸入している牛肉や豚肉、鶏肉、それからトマトやカボチャといった野菜、オレンジ、レモン・バナナといった果物、それから、サケや銀ダラといったお魚も値下がりになる見込みだということです。
ここに加えて、カリフォルニアワインなども値下がりするかもしれません。
そして3カ月後、ガソリンだけでなく他のエネルギー、電気やガスなども値が下がるかもしれない。
そして、アメリカから多く輸入している小麦などを使ったパンやパスタなど、加工食品も半年から1年くらいかけて値下がりする可能性があるということです。
ただ、ここまではいい話にも聞こえますが、円高はいいことばかりではないわけです。
永濱さんに聞くと、、円高によって株価が下がって、短期的に損失が出るかもしれない。
ただ、戻る可能性もありますので慌てなくても大丈夫。
そして、もう1つが賃金です。
基本的に輸出関連企業で働く人は、2026年の春闘が心配です。
賃金に影響が出る可能性があるということで、注意深く見る必要があるということです。
青井実キャスター:
その辺りも含めてですが、、今週25日に加藤さんとベッセントさんの会談があるわけですが、この辺り、為替について話されますかね?
SPキャスター 岩田明子氏:
可能性はあると思いますね。トランプさん、1期目の時に安倍元首相に対して為替に関して言及した時に、『ドナルド、為替についてはリーダーがやり取りしてはだめだ、当局に任せるべきなんだ』と言ったことがあったので、そういう経緯からすると、当局同士に任せようということもあり得るかなと思いますね。
まさに当局同士の話。
為替の話が出てくるのか注目です。