トランプ大統領も参加した関税交渉ですが、アメリカ側が要求してきた内容が判明してきています。
SPキャスター・岩田明子氏とともに詳しく見ていきます。
「対日貿易赤字ゼロ」「日本は輸入拡大を」「『非関税障壁』見直し」「駐留費など安保の“貢献”」などです。
青井実キャスター:
どのカードがトランプ大統領の本命だと思われますか?
SPキャスター・岩田明子氏:
全てトランプ大統領はずっと言ってきたことで、輸入拡大の話はUSTRがずっと言ってきた話なんです。どれも本命だと思いますが、特に自動車については相当強い交渉してくると思いますね。
そんな中、自動車を巡ってトランプ大統領は日本時間21日、SNSで貿易上の不正行為の具体例を挙げる中で、日本を名指しして批判しました。
「非関税障壁」の不正行為として8つの項目をあげ、このうち6番目にあげた「保護的な安全基準」の例として、「日本のボウリング球試験」と明記しました。
実はトランプ大統領は、2018年にも日本の安全テストについて「車の6メートル上からボウリング球を落としボンネットがへこめば不合格となる検査がある」という根拠不明の発言をしていました。
青井実キャスター:
事実ではないディールというのはトランプ流なんですか?
SPキャスター・岩田明子氏:
これ第1次からサシの時でも言っていましたし、国際会議でもずっと言い続けている。安倍さんとサシの時に安倍さんは言ったんです、「このテストというのは乱暴なテストではなくて、車が追突した時にどの程度破損するか認定するための検査である」ということを言ったら、「そうなんだ」といちいち納得していたのにまた言ってくるというのは確信犯だと思いますね。
宮司愛海キャスター:
そうなると、いわば日本側からすると“嘘”みたいなことを盾に振りかざしてこられると、どういうふうに今後交渉していけばいいと思いますか?
SPキャスター・岩田明子氏:
駐留経費の件も、サシの時に訂正をしていて「そうなんだ」と納得していたのにまた言ってきていますので、まずはトランプさんに振り回されないということですね。トランプさんには時間がない。
特にアメリカの国際の市場も揺れていますし、それから来年の中間選挙までが求心力のある期間なので、“時間がないのは向こう”だということをよく読んだうえで交渉する。そのうえで、トランプさんが欲しいものはアメリカの製造業の復活なので、それに刺さるようなことをちょっと言うというところですね。
宮司愛海キャスター:
そうなると「非関税障壁」が日本は課題になってくるわけですが、優先順位はどこら辺が現実的なラインになってくると思いますか?
SPキャスター・岩田明子氏:
やっぱり調達コストの変更になるような制度変更というのはなかなか難しいので、一応、「非関税障壁」についてはリストの洗い出しはしてますけれども、それよりは例えば、輸入品のジャガイモや大豆を買うとか、そういったところからカードを切っていって、最後に「非関税障壁」のところだと思います。焦りは禁物だと思いますね。
いずれにしても4月に赤沢大臣が2度目の訪米を予定しています。その辺りも注目です。