日米関税交渉を行った赤沢経済再生相は会見を行い、日米で「早期に合意し首脳間で発表できるよう目指す」方針で一致したことを明らかにしました。

赤沢経済再生相は「米国による一連の関税措置の見直しを強く申し入れたところです」と述べたうえで、「可能な限り早期に合意し首脳間で発表できるよう目指す」ことや、4月中にも第2回の協議を行うよう日程調整するとともに、事務レベルの協議を続けることも確認したとしています。

また、関税交渉の前にトランプ大統領と会談し、石破首相からの「日米双方の経済が強くなるような包括的な合意を可能な限り早期に実現したい」とのメッセージを伝えたと述べました。

フジテレビ政治部・高田圭太デスクが解説します。

青井実キャスター:
高田さん、驚きましたけど、トランプ大統領の出席で日本側は知ってたってことあります?

政治部・高田圭太デスク:
アメリカ政府側からもしかしたらトランプさんが入りたいというふうに言ってるよというサインはあったようですが、しかし本当に来たという感じで昨夜は緊張感と驚きが走ったと聞いています。

青井実キャスター:
今回の交渉成果について見ていきましょう。

宮司愛海キャスター:
お伝えしている通り、初めての関税交渉で日本は可能な限り早期の合意、そして発表を目指すこと、それから4月中の次回協議を行えるように日程を調整することを確認したということです。

青井実キャスター:
そしてトランプ大統領はSNSでこう言っています。「大きな進展があった」ということですけども日本側はどう評価していますか。

政治部・高田圭太デスク:
石破首相のコメントは、「次につながる協議が行われたと評価している」と。もう少し本音をのぞくと恐らく自分が首脳会談での決着に向けて、協議の土俵はちゃんと作れたのでそれは良かった、ほっとしたというのが本音ではないかと思います。

宮司愛海キャスター:
そして、具体的な交渉に関してこんなやり取りがありました。記者から「アメリカ側から為替や安全保障に関する話も出たのでしょうか?」と聞かれて、赤沢経済再生相は「この言い方をするとちょっと分かっちゃうところもあるんですけど、為替については出ませんでした」ということで高田さん、つまり安全保障に関しては話したということですか?

政治部・高田圭太デスク:
事実上、出たことを認めたという形で赤沢さんはこのぐらいは言ってもいいと思ったんだと思います。ご本人、安全保障はあまり詳しくないので持ち帰って報告しなきゃいけないので、それも見据えたのかなと考えらます。

宮司愛海キャスター:
そして一方で、為替の話が出なかったことについて経済の専門家・第一生命経済研究所の熊野英生さんに聞きました。「アメリカ側は功を焦っている。為替で攻めてもいい落としどころが見つからない。農産物や自動車で攻めたほうがいいと判断したのではないか」ということでした。

青井実キャスター:
柳澤さん、今回の日米交渉をどう見ましたか?

SPキャスター・柳澤秀夫氏:
アメリカペースで始まりました。日本側が喜ぶような、あるいは今後の展開でアメリカ側に有利になるようなところをちらっとちらつかせて、この先、駒を進めようという考えですよね。

青井実キャスター:
トランプ大統領の顔どう見ればいいですか?

SPキャスター・柳澤秀夫氏:
これは本気で笑ってるようにはちょっと思えないんですよね。何となく写真を撮る時にチーズと言われて笑っているような感じで、本音の部分はこれからだという感じじゃないですかね。でもそれはトランプ氏はパフォーマンスを見せますからね。ペースは俺が作っている、俺が大将だということを示したいという顔じゃないですかね。

青井実キャスター:
気になる発言もありました。赤沢大臣ですけれども「明らかに格下も格下ですので、出てきて直接話をしてくださったことは本当に感謝している」と振り返って言ったわけですが、この発言は高田さんどう受け止めますか?

政治部・高田圭太デスク:
野党からは格下などとへりくだらずに毅然と臨んでほしいという声が出ていますが、日本政府にとっては本当に最悪のパターンは避けられたと。一番怖かったのは、あの場にカメラが入って、赤沢さんがトランプさんから一方的に日本はここがだめだと言われて、それが世界に流れるということ、それだけは避けたいと思っていた中で、トランプさんはそういったシチュエーションは作らずに、そして大きな進展だといったので、赤沢さんはトランプさんご本人にも格下なのにありがとうと言ったのかもしれませんが、とにかくうまく乗せて最終的に大きな進展だということで、怒らせずにたどり着いたということで、日本政府や与党からしたら、及第点や第一関門は超えたという前向きな評価が多いですね。

青井実キャスター:
トランプ大統領はいつもビデオカメラを入れて、自分のパフォーマンスを見せたいタイプかなと思ってましたが、格下発言は柳澤さんどうみますか?

SPキャスター・柳澤秀夫氏:
ちょっとこれは、日本国を代表していっているんだから自ら格下という言葉を使う必要はなかったと思いますよ、僕は。

青井実キャスター:
その辺りも指摘されていますが、日本側はカードをいろいろ準備しましたけど、今回カードは切ったんですか?

政治部・高田圭太デスク:
今回はそこまで行ってないですね。お互いカードゲームだとしたら、カードを出し合う場を作ってお互いにどういったカードをそろえて交渉しますかという準備をした、探りあったということなので、まさに次回以降がどういうカードを切るかという勝負になっていくと思います。