アメリカ・トランプ政権の関税措置を巡り、赤沢経済再生担当大臣が、17日にワシントンで初めての交渉に臨む。

赤沢亮正経済再生担当相:自分でも驚くほど、けさ(15日朝)落ち着いています。何が一番国益に資するのか、何が一番効果的かということを考え抜いて、しっかり国益を守る、そういう交渉をしていきたいと思います。
出発に先立ち赤沢大臣は、「日本とアメリカの国益にとってウィンウィンの関係になるよう、よい交渉をしたい」と述べた。
交渉では、自動車をはじめ、農産品や為替など幅広い分野が議題に上がる可能性があり、日本側はアメリカ側の姿勢を見極めながら成果につなげたい考えだ。

■赤沢大臣おとといの取材で第一声は「ため息だった」
交渉のキーパーソン赤沢大臣を14日に取材したジャーナリストの鈴木哲夫さんは、「第一声はため息だった」と明かした。
ジャーナリスト 鈴木哲夫さん:(赤沢大臣16日の)インタビューでは『すっきりしています』なんて言っていたけど、おととい防災の会議で一緒だったんです。僕は『大変なことになったね』みたいなことを言ったら、彼の第一声はため息でした。やっぱり相当重責だし、簡単に交渉なんていかないですよね。
ジャーナリスト 鈴木哲夫さん:実務経験もいろいろ言われているのもある。実は赤沢さんじゃなくて、茂木さんあたりを選んだらどうかという声も官邸にあったんです。だけど茂木さんは”反石破”だから、『手柄取られちゃうと、これはまずい』みたいな、変な政治的なものもあって、結局信頼できる赤沢さんにした。

ジャーナリスト 鈴木哲夫さん:経産省の幹部を取材しましたが、これからの交渉はパズルのような交渉になってくると。いまアメリカが具体的に出しているのは、例えば農産物とか、工業製品とか、あと安全保障とか具体的に出しています。
ジャーナリスト 鈴木哲夫さん:それを対等にやってもダメで、『それをのむ代わりに、自動車で…』みたいなパズルみたいな交渉になってくる。そう簡単にはいかないだろうというのが、経産省・官邸の見方です。だからもう赤沢大臣は大変ですよ」

■「開かれた日本をゴールに外圧を利用して進んでいない改革をやればいい」と橋下氏
橋下徹さん:日本の国のあり方を考えれば、僕はたじろぐ必要ないと思います。現状を前提とすれば、とにかく守りに入るわけですよ。
橋下徹さん:でも日本は、農業にしても何にしても、全然開かれてない部分がたくさんあります。いまだにライドシェア一つできないんです。自家用自動車の相互乗り入れみたいなもの。それから自動運転自動車の実証実験もなかなかできない。

橋下徹さん:『開かれた日本』ということをゴールにおけば、トランプさんからいろいろ言われている外圧を利用して、日本で全然進んでいない改革をやっていけばいいと思う。
橋下徹さん:だから、日本で関税を非常にかけている農業の部分を、自民党は守ろうとしているけれども、開いたらいいんですよ。その代わり工業製品のところ、日本はもともと関税が低いのだから、アメリカの方が自動車の関税をかけているので、『俺たちゼロなんだから、君らもゼロにしろ』といえる。
橋下徹さん:その代わり日本は農業を開かなきゃいけないですが、そういうことが果たして自民党にできるかどうかというところです。選挙前にはできないでしょうね。

ジャーナリスト 鈴木哲夫さん:その通りで、官邸の中にある考え方で、『アメリカじゃなくて、アジアと例えば新たな貿易の形を作る』なんていう、ある種”攻めの理想論”を言う人はいる。だけど、やはりアメリカの傘の下でいけるのかという、そこですね。
交渉の行方に注目だ。

(関西テレビ「newsランナー」 2025年4月16日放送)