立憲民主党の野田代表は12日、佐賀県嬉野市で講演し、アメリカのトランプ大統領が打ち出した関税措置は「ルール破り」として、4日の与野党党首会談で石破首相に対し、「ルールを守ろう」と米側に強く言うよう直接要請したと強調した。
野田代表は、「そもそも関税というものは、一方が勝手に決める話ではない。一回決まっているものは、お互い合意のもとで変えるというのがルールではないか」と指摘し、「WTO(世界貿易機関)のルールを破っているとしか思えない。ルールを守ろうと言っておかなければいけない」と述べた。
さらに野田代表は、第一次トランプ政権との2019年の日米貿易協定について、米側が自動車に高い関税をかけようとしたのに対し、日本側が交渉の中で、牛肉や豚肉などの税率を低くするという条件を提示して、約束ができたと説明。
その上で、「(米側に)『ルールを守っていないじゃないか。だったら、牛肉や豚肉でそちらに配慮したが、ゼロに戻そう』と言ってはいけないのか」と述べた。
また、「お願いだから日本だけは勘弁してほしいと言っていたら、世界中がそんなことをしていたら、トランプ政権の思うつぼではないか」とも述べた。
そして、野田代表は、「ルールを守ろうと口を酸っぱくして言っていかなければいけない。石破首相に『そういうことをきちんと言ってほしい』と申し上げた」と述べた。