島根県川本町に誕生した女子硬式野球チーム「島根フィルティーズ」。野球を通じた地域活性化を目指しています。チームが目指すのは、”勝利と町おこし”。4月から本格的な活動がスタートしました。
森山一人監督:
きょうはサクッとですよ、確認してやっていきましょう。
4月1日、川本町の野球場。女子硬式野球チーム「島根フィルティーズ」の初練習です。鹿児島や東京などからメンバー13人全員が集合、本格的な活動が始まります。
チームを率いるのは、元プロ野球選手の森山一人監督。大田市出身で、邇摩高校から1992年にプロ入りし、近鉄、ダイエーでプレーしました。引退後は、独立リーグなどでコーチ、監督を務めました。
活動初日のこの日は、ベースランニングやキャッチボール、シートノックなどのメニューをこなし、シーズン開幕に向け基本的な動きを確認しました。
森山一人監督:
確認作業をいっぱいしてください。ベース踏む確認とかライン取り。
練習では、森山監督も指導の傍ら、選手と一緒に汗を流します。
森山一人監督:
ご覧のいい子たちがそろって本当によかったです。
チームを引っ張るのは、松江市出身の恩田楓可選手(25)。経験豊富な“ベテラン”が、約10年ぶりにふるさとに戻ってきました。小学校時代に野球を始めた恩田選手。より高いレベルを求めて高校は京都、大学は岡山に進学、卒業後は東京の社会人チームで約2年プレーしました。
昨シーズン限りで引退するつもりでしたが、ふるさとでプレーできるならと現役続行を決めました。
島根フィルティーズ・恩田楓可選手:
素直に野球って楽しいなって思いました。本当に辞めないでよかったなと。
島根ゆかりの選手はほかにも…田邊澪選手(19)。福岡出身、川本町にある島根中央高校の女子硬式野球部でプレーしていました。卒業後も野球を続けるため、広島のクラブチームに入りましたが、フィルティーズに移籍、川本に戻ってきました。
島根フィルティーズ・田邊澪選手:
(町の人から)「おかえり」とか「よく戻ってきたね」って言われるので楽しいです。
本格始動初日の午後、スーツに身を包んだ選手たちが、川本町役場にいました。町長から一人一人に手渡されたのは…「地域おこし協力隊」の任命状。学生を除くメンバー12人は、町の地域おこし協力隊員として、町のPR活動などに携わります。
任期は3年、午前は練習、午後は仕事の「二刀流」生活を送ります。
川本町・野坂一弥町長:
将来的にルビーリーグ、全国の大会で島根フィルティーズと島根中央高校が決勝戦で争うという、この街の夢として実現を期待したい。
森山一人監督:
少しお客さんも少ないので、もっともっとここに人が集まってくれるような、そういう活動を選手たちにはしてほしいなと思います。
誕生したばかりのフィルティーズ、戦う舞台は女子野球の中四国リーグ「ルビーリーグ」。最も下のクラス、3部に所属、目標に掲げるのは3年後、最短での1部昇格です。
森山一人監督:
やっぱりバッティングは個々、本当に力があるので、すごいこう、今後楽しみだなというところですかね。
フィルティーズは、5月初めに公式戦初戦、5月下旬からはリーグ戦に臨みます。
これに先立って4月12日、川本町で島根中央高校とオープン戦を行い、町の人に「フィルティーズ」の誕生をアピールします。