スポーツの強豪校として全国に名をはせる福岡市の東福岡高校で10日、入学式が行われました。

今年は東福岡高校にとって特別な入学式。上級生の男子生徒はちょっとそわそわした様子です。

◆新2年生
「1年間、男子としか話していないから、女子にどう接すればいいかわからない。距離感がわからない」

Q.緊張する?
◆新2年生
「とても緊張しています」

今年度から女子生徒を受け入れ共学となりました。

あわせて制服も、紺の詰め襟からモスグリーンのブレザーにイメージが一新されました。

Q.これまでの東福岡高校のイメージは?
◆新入生の保護者
「男子校のイメージしかなかった。勢いがある。まさか次女が入ると思ってなかった」

男女の生徒が並ぶ入学式。

新1年生981人のうち女子が417人と4割以上を占めることに。

学校側もこの日に向けて受け入れ準備を進めてきました。

◆新1年生 副担任 有村明巳 先生
Q.先生たちも緊張していますか?
「少なからず…」
Q.先生たちからはどんな声が?
「女子生徒と接するのが先生も初めての方が多いので、そこは慣れていくしかない。男らしさの学校だったので、華やかさがプラスされるのかなと思う」

今年から変更されたという場所を案内してもらいました。

◆新1年生 副担任 有村明巳 先生
「どこかといいますと、廊下側」
Q.見てわかります?
「ずっとここで生活してきた人ならわかります」
Q.窓ガラスですか?
「実はカーテンがつきました」

体育の授業の前後など、教室で着替える男子生徒の姿が女子生徒の目に触れないように、新たにカーテンが取り付けられました。

一方、女子生徒のためには、各フロアに更衣室を新設。

ロッカーが備え付けられているほか、個室の着替えスペースも用意されています。

さらに、女性用トイレはこれまでもありましたが、内装をリニューアルして明るい雰囲気に生まれ変わっています。

◆新1年生 副担任 有村明巳 先生
「男子校ならではの良さももちろんあったんですけど、女子生徒が入って、男女関係なくスムーズに社会に出ていって、不安のないようなコミュニケーションの取り方や多様性の理解が進むことを期待している」

では、実際に女子生徒たちはどう感じているのでしょうか?

Q.東福岡の制服を着てみてどうですか?
◆新1年生の女子生徒
「かわいいです」
「ワクワクします」
「たくさん友達を作って、自分の行きたい進路に行けるように頑張りたい」
「女子が少ないので、いろんな人と仲良くできるかは不安」
「勉強と部活と友達と、たくさん頑張れたらいいなと思います」

屈強な男子校のイメージから生まれ変わる第一歩を踏み出した東福岡高校。

10日に晴れの日を迎えた1000人近い新入生たちが、新たな歴史を作っていくことになります。

気になるのが、共学化で東福岡高校の人気がどれだけ高くなったか、です。

大手進学塾「英進館」の調査結果によると、「今年の東福岡高校」と競合したとみられる私立高校3校の去年と今年の受験者数は…

【去年の受験者数】
西南学院(638人)
福大大濠(1868人)
筑紫女学園(425人)
東福岡(1228人)

【今年の受験者数】
西南学院(481人)
福大大濠(1734人)
筑紫女学園(327人)
東福岡(1828人)

単純比較ではありますが、西南学院・福大大濠・筑紫女学園は100~200人、受験者が減りました。

一方、東福岡高校は去年から600人増えるという異例の変化で、英進館も他の高校から「流れて来た」と見ています。

東福岡は最終的に募集定員のほぼ2倍の合格者を出しているので、実質的な倍率が急激に上がったわけではありませんが、今後も注目の的であることは間違いなさそうです。

テレビ西日本
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