秋田県の観光支援策の助成金130万円余りをだまし取ったとして、詐欺の罪に問われている鹿角市の温泉宿泊施設の社長ら3人の初公判が9日、秋田地方裁判所で開かれ、社長は認否を留保し、元従業員の女2人は起訴内容を全面的に認めました。

起訴されているのは、鹿角市の温泉宿泊施設「五の宮のゆ」を経営する東日本観光の社長・藤原サダ子被告(78)と元従業員の根本智恵被告(56)、元パート従業員の平野実穂被告(40)です。

3人は、2023年1~4月までの間、県の観光支援策の助成金をだまし取ろうと共謀し、宿泊した実態がないにもかかわらず144人分の助成金を県に申請し、138万6400円をだまし取った詐欺の罪に問われています。

秋田地裁で開かれた9日の初公判で、藤原被告は「認否を留保する」とし、代理人は今後の追起訴の内容などを見て判断するとしました。

一方、根本被告と平野被告は起訴内容を全面的に認めました。

冒頭陳述で検察は「東日本観光は長年赤字経営を続ける中で、従業員に対する給与の支払いが遅れていた。長年経理を担当していた根本被告が、2人に不正受給を持ちかけ、2人が承諾し繰り返すようになった」と指摘しました。

東日本観光は、2020年9月から2023年6月までの間、県の観光支援策で約4181万円、鹿角市の宿泊応援事業でも約278万円を不正に受給していて、検察は6月初旬までに追起訴する方針です。

秋田テレビ
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