日本の伝統楽器「箏」を演奏する部活動が秋田市の秋田北高校にあります。秋田県内唯一の「箏部」。放課後の練習にお邪魔しました。
校舎に響く箏の音色。
演奏しているのは秋田市の秋田北高校「箏部」の部員たちです。県内で唯一の箏を演奏する部活動で、部員は1~3年生までの14人。週に2日、放課後に集まって演奏しています。
取材した日は、7月に香川県で開かれる全国高校総合文化祭『かがわ総文祭』に秋田県代表として出場する8人が練習していました。全員、入部するまでは箏に触れたこともありませんでした。練習は外部講師の指導を受けたり、部員同士で教え合ったりしていて、1年ほどかけてようやく簡単な曲が演奏できるようになるそうです。
秋田北高校箏部・竹内飛鳥部長(3年):
「本当に初心者の状態で入部した。箏についてあまり深く知らなかったが、北高の箏部に入って箏を本格的にやるようになって、和の音色に感動した」
徳山詩歩さん(2年):
「弦が13本あるので弦の場所をすぐに弾いたり、楽譜がほかの楽器と違い漢字で書かれているので、演奏するのが難しかった。1年間練習して、ようやく楽しく曲を弾けるようになった」
箏は一般的に、13本の弦に箏柱と呼ばれる柱を立てて音程を調節し、右手の指に付けた爪で演奏します。ほかにも、より低音を響かせることができる17本の弦を使った箏もあります。
講師 生田流筝曲清絃会家元・足達清賀さん:
「日本にもいい楽器があることを知ってもらうだけでもうれしい。せっかく部活を始めたのだから、このまま箏や日本のものを大事にしてくれればとてもうれしい」
2024年は創部以来初めての男子部員が入部しました。2年生の對馬太陽さんです。演奏するのに力が必要な17本の弦の箏にも挑戦し、より多くの楽曲を演奏したいと意気込みます。
對馬太陽さん(2年):
「箏部ができたのが昭和ぐらいのすごい昔からある部活だったので、自分が初めての男子部員になることで次に入る男子のレールになれればと思った。秋田県を代表できるような演奏を、かがわ総文祭でしたい」
新たな風が吹いた秋田北高校箏部。部長をはじめ3年生は、かがわ総文祭をもって引退します。自分たちが学んだ演奏技術を下級生に引き継ぎ、総文祭では秋田県の代表として全力を尽くします。
部長の竹内さんは「私たちの目標は、北高らしい調和の取れた演奏。かがわ総文祭で私たち3年生は最後なので、悔いの残らないような演奏をしたい」と意気込みます。そして「北高箏部は学年問わず仲が良いのが魅力だと思っているので、2年生にも引き継いでいってもらいたい」と話します。
部員たちは伝統を受け継ぎ、これからも箏を通して豊かな音色を奏でていきます。
2026年の全国高等学校総合文化祭は秋田県で開催されます。筝部のメンバーは早くも「地元秋田代表として息の合った演奏をしたい」と熱く話していました。