宮城県大郷町のスポーツパーク構想をめぐり議会解散の是非を問おうと住民が集めた署名について、仙台地裁が「一部無効」と判断し、4月20日に予定されていた住民投票の「中止」が決まりました。
防災無線
「住民投票に対する差止請求が、裁判所により認められたため、期日前投票所を本日より閉鎖します」
町長が力を入れる構想はまたしても暗礁に乗り上げそうです。
大郷町 田中学町長
「有権者の皆さんは『残念だ』。そんな思いでしょう」
町が進める「スポーツパーク構想」は、東日本台風で被災した農地に大規模なサッカー場を造るという計画です。
町議会は「説明が不十分」などとして、関連予算案などを相次いで否決。一方、賛成する住民たちは、町議会の解散請求「リコール」に必要な署名を集めました。
その結果、議会解散の是非を問う住民投票が4月20日に行われることになり、3月31日からは期日前投票が始まりました。
しかし、一部の議員は「無効な署名が含まれる」などとして提訴。仙台地裁は判決が出るまでの間、投票の一時停止を求める議員側の申し立てを4月8日、認める決定をしました。
選挙管理員会が有効と判断した署名は2135人。このうち、仙台地裁は「死亡した人が2人」、「代筆の要件を満たしていない疑いが9人」と判断しました。
あわせて11人の署名が無効となれば、リコールに必要な有権者数の3分の1、2127人分を下回ることになります。
賛成派の住民
「信じられませんでした。どこで間違えてそういうことになってしまったのかな」
反対派の住民
「小さい町なので維持費とか、色々あったりして不安だったので良かった」
町は20日に予定していた住民投票を取りやめ、4月10日、「即時抗告」を行うか決めるとしています。