世界に混乱をもたらしている、トランプ政権の“関税ショック”。
日本時間午後1時1分、第2弾が発動されました。
アメリカに輸出している多くのジャパンブランドに24%の関税が追加で課せられることになります。
このトランプ関税で、アメリカ進出プランがストップした業者も。
さらに、私たちの食卓にも大きな影響が出る恐れが出てきています。
9日午後4時半ごろ、トランプ関税の交渉を担当する赤沢経済再生相が首相官邸に入り、石破首相と面会。
一方、国内の経済対策を巡り、与党内からは、全ての国民に4万円あるいは10万円を給付するという案が飛び交っています。
大荒れとなった9日の株式市場。
日経平均の終値は8日の急上昇から一転、1300円近く下げました。
こうした中、東京の日本橋高島屋店で、9日から「大黄金展」が始まりました。
今回初展示だという、黄金に輝くミロのビーナス。
金箔が約1500枚使われ、価格は3300万円です。
高さ1.8メートルの金箔だるまは2200万円。
今週開幕する大阪万博に向けて、赤と青でおなじみのミャクミャクも金ぴかに!
128万7000円の値がつけられました。
経済の先行きが不透明になると価格が上がる安定資産、金。
トランプ政権の関税政策による混乱を受け、4月1日には1グラム当たりの金の価格が市場最高値を更新しました。
しかしその後、急落。
理由について、SGC常設店統括部長の松崎圭将さんは「今回、追加関税が発表されたタイミングであまりにも株価が世界的に下がってしまった。手元資金を作るために一時的に金を売って、今ちょっと金が下がった。上がってくる可能性は十分ある。トランプショックが非常に大きなトピックスに」と話します。
トランプ政権は、相互関税の第2弾を日本時間9日午後1時過ぎに発動。
アメリカへの輸出品は一部を除き、24%の関税が課されることになりました。
影響は計り知れません。
武士やアニメのキャラクターが描かれ、海外の方に好まれそうなデザインの日本酒。
神奈川・横浜市の日本酒を取り扱う企業は、日本酒を1缶600円から販売。
2025年の夏にはアメリカ進出を計画していました。
ところが、トランプ関税によりアメリカでの販売価格が当初の1600円から2000円にアップ。
「先行きが見えない」と判断し、8日の夕方、アメリカでの販売をストップすることを決めたのです。
アグナビ・玄成秀CEO:
(アメリカでは)事務手数料や物流コストで、関税前は1600円。関税後は2000円くらいになる。(アメリカ進出は)今回はいったん保留。価格を下げることは、メーカーにも失礼になってしまう。輸出の基盤を再構築できるような状況になってほしい。
今後は、アメリカ市場以外の開拓に力を入れる予定です。
また、東京・墨田区のステーキ店も不安を抱えていました。
ジューシーなハラミステーキは、300グラムで税込み4488円。
アメリカ産の牛肉を中心に使っています。
しかし、そのアメリカ産が値上げの可能性も。
相互関税の発動で、アメリカでは今後輸入品に関税が課せられ、物価が上がるとみられます。
仮に、為替相場が円安方向に向かうと、日本が輸入する牛肉の値段も上がる恐れがあります。
ヌーベルバーグ・清水恒章オーナー:
関税だの円安だので、もう本当に高級肉で…。この間焼き肉店に行ったら、和牛と一緒に並んでました(アメリカ産)ハラミが。輸入牛肉を扱っている焼き肉店だったり、みなさん国産に変えてるので、街のステーキ店はさらに減っていくでしょうね。
トランプ関税の余波がどこまで広がるのかは、不透明な状況となっています。