7日、衆議院議員の資産報告書が公開されました。
石破首相をはじめ、先生方の財産はどのくらい潤っているのでしょうか。
きょうのテーマは「ホント?衆議院で資産ゼロ議員も…」ソレってどうなの?です。
7日、公開の対象となったのは、2024年11月の衆議院選挙で当選した議員465人。
その資産の平均は2685万円。
前回公開された時より239万円減り、初めて公開された1993年以来過去最低となりました。
トップは自民党の麻生元首相の6億153万円。
地元の福岡県内や東京・渋谷区、長野・軽井沢町に複数の不動産を所有しています。
そして党首クラスの資産も見てみると、石破首相は平均より少ない1555万円、立憲民主党の野田代表は2325万円などとなりました。
首相の資産が約1500万円と聞いて、街の方はどのように感じているのでしょうか。
50代:
少ないんじゃないか。今までの収入とか議員生活で10万円とか配っているような人で、不動産とかいろんなもの持っていると思うし、年収から考えて資産がそれだけっておかしいと思う。
30代:
総理大臣でそれぐらいであっても、まあ妥当なのかなと思う。
もう1人注目される議員はこの人。
支持率を上げている国民民主党の玉木代表です。
報告書にはなんと「資産ゼロ」と記されているんです。
実は、この資産ゼロ議員が今回のもう1つの特徴なんです。
小泉進次郎議員など全部で94人いて、前回より17人も増えているんです。
これについて街で聞いてみました。
50代:
どういうカラクリかわからないが、世の中の今の景気にあわせてうまく調整しているのかな。それにしてもゼロっていうのは一般的な国民感情としては疑わしい。「そんな訳ないだろう」と…。
年収2000万円以上といわれる国会議員で「資産ゼロ」はあり得るんでしょうか。
政治アナリストの伊藤惇夫さんに聞きました。
政治アナリスト・伊藤惇夫氏:
なぜ(資産が)ゼロになるかというと、実は“裏”がある。そこが資産公開の問題点。定期預金・定期貯金は報告義務があるが、普通預金・普通貯金には報告義務がない。
さらに貴金属なども公開の対象外。
株式は銘柄と株数を報告するだけで金額には含まれません。
石破首相が持つ三菱重工の株数は1万620株のため、7日の終値で計算すると2200万円程度。
これだけで公開された資産を超えるわけです。
そして今回資産ゼロと記載した玉木代表も、初当選前に取得した電力関連会社の株式10株を保有していました。
このように公開された資産に普通預金や株式が入っていない理由について、伊藤さんは引き出したり変動することで金額が変わるためだといいます。
青井実キャスター:
岩田明子さんに聞いていきます。何か釈然としないといいますかね。
SPキャスター・岩田明子氏:
ちょっとやっぱりゼロと言われてしまうと現実とかけ離れているなという気持ちになってしまいますよね。普通預金に寄せる人も多いと思いますよ。
青井実キャスター:
ただこれが昔からずっとこういう流れでやっているということですからね。
SPキャスター・岩田明子氏:
国会議員同士も話題になるんですよ。あの人いくらぐらい持ってるんだって。
この資産報告書の公開が始まった理由の1つというのが、戦後最大の贈収賄事件といわれるリクルート事件でした。
しかし、普通預金などが対象外になっているほか、親の政治団体が持っていた資金を世襲で引き継いだ場合も問題が発生するというんです。
政治アナリスト・伊藤惇夫氏:
実質的な遺産相続ですので、一般の方だったら相続税がかかるが、政治団体をそのまま引き継ぐと相続税がかからない。そういう問題もある。
さまざまな問題点が指摘される衆院議員の資産公開なんですが、伊藤惇夫さんは「今の時代に即して変えていく必要がある。例えば普通預金についてもある時点を区切ってもいいから報告をさせる」と訴えました。
政治家の皆さん、私たちが納得できるようにぜひ積極的な行動をお願いしたいと思います。