秋田県小坂町の農事組合法人が生産したコメから、基準値を超えるカドミウムが検出されたことが分かりました。県内や神奈川、宮城の業者などに約86トン出荷していて、自主回収が進められています。
基準値を超えるカドミウムが検出されたコメを流通・販売していたのは、小坂町にある農事組合法人「熊谷農進」です。コメの卸先の一つ「大潟村あきたこまち生産者協会」が3月5日に行った自主検査でカドミウムが基準値を超えました。
熊谷農進が2024年に生産したコメは、県内外の4業者に約86トン出荷していて、現在検査と自主回収を進めています。今のところ健康被害は報告されていません。
熊谷農進の熊谷聴代表理事は4日、秋田県庁で開かれた記者会見で「謹んでおわび申し上げます」と述べ、頭を下げました。
カドミウムは土の中にある重金属で、生産者は田んぼに水を張る7月に、稲がなるべく吸収しないよう田んぼに水を入れる必要がありますが、熊谷農進は適切な時期に管理していませんでした。
熊谷農進・熊谷聴代表理事:
「これまではJAで任意のカドミウム検査をしていて、基準値を超えなかった。(今回は出荷先が変わったが)私たちで自主検査をしておらず、そのまま出荷したことが原因。ちょっと考えが甘かった」
県は、コメ農家に管理の徹底やカドミウムを吸収しにくい「あきたこまちR」に品種を切り替えるよう呼びかけています。