北海道東部の中標津町でパイプが首にはまった野生のキタキツネが見つかり、地元のボランティア団体が保護し、パイプを取り除きました。

住民が2日連続で目撃 ボランティア団体に相談

 キツネは3月19日、中標津町旭ヶ丘に住む女性が自宅付近で、首に異物をつけたキツネを目撃。翌20日も見かけたため、地元のボランティア団体「中標津ぷろてくと」に相談しました。

 異物は7.5センチのポリ塩化ビニール製のパイプ。水道工事に使われるもので、当日、役場から箱わなを借りて設置しました。


麻酔薬を投与 パイプを2か所から切断

 22日にキツネがわなにかかり、動物病院の獣医とともにパイプを除去。麻酔薬を投与したのち、パイプを2か所から切断しました。

 キツネは8時間後に目を覚まし、捕獲された場所の近くで、放たれました。

 推定2歳のオス。体調には問題なかったといいます。

 パイプは片側にひびが入っていて、工事中放置され、野ざらしにされたとみられます。キツネが何かの理由ではめてしまい、成長して外せなくなったと推測されています。

 「中標津ぷろてくと」は普段、高齢者や子どもの見守りが主な活動。突然の野生動物救出ミッションに団体の代表は「無事助け出しほっとしている」と話しています。


キタキツネ救出作戦の経緯

3月19日
中標津町旭ヶ丘に住む女性が自宅近くで、首に何か筒状のものがはまったキタキツネを目撃。


3月20日
女性が再度目撃。「どうにかならないか?」と団体に相談。中標津町役場から箱わなを借り受け、目撃された場所付近に設置。


3月22日
午前5時20分ごろ、わなにかかったと一報を受け団体が引き取る。

午前11時10分ごろ、動物病院へ連絡。院長の協力を得て、麻酔薬を投与。パイプを2か所から切断。麻酔が切れるまでの8時間あまり、保護する。

午後8時ごろ、捕獲地付近でキツネを放つ。

北海道文化放送
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