岩手県大船渡市の山林火災では、発生から1カ月が経った今も、市内には住む家を失い避難所での生活を余儀なくされている人がいます。

大船渡市内には避難所が2か所開設されています。その一つ、綾姫ホール。

今回の火災で家を失い避難所や親せきの家などに身を寄せる人は合わせて194人’25日午後5時時点)で、このうち、綾姫ホールには22人が避難しています。
この避難所は、少なくなった避難者を集約するため開設されました。

一方、それに伴い避難所を移動した人もいて、環境の変化に対応せざるを得ない状況となっています。

3月26日現在も避難生活を送っている泉惠さんは、家族4人で三陸町綾里の石浜地区に住んでいましたが、今回の山林火災で13年間過ごした自宅が全焼しました。

泉さんは「仕事柄、結婚指輪をつけずに自宅に置いていた。残っていればいいが、夫にも話したら『焼けて跡形もない』と言っていたので諦めた」と話していました。

大切に保管していたという子どもたちのアルバムは見つけることができませんでした。

今回の山林火災では、合わせて100棟あまりの住宅が被害を受けていて、三陸町綾里では57棟が全壊しています。

生活の再建に向けては応急仮設住宅のうち、県の内外の「公営住宅」と民間のアパートなどを活用する「みなし仮設」は4月中に、新たに建設する仮設住宅は5月上旬に入居開始となる見通しです。

また、住宅が全壊するなどの被害を受けた世帯に対しては、最大で300万円が支給される生活再建支援金の申請受付も3月20日から始まっています。

Q:発生から1か月、今の心境はいかがでしょうか?
泉惠さん
「あの火災の日から時が止まってしまったような感じで、日常がガラッと変わってしまい、とてもやるせない気持ちです」

Q:仮設住宅や生活再建支援金など生活再建に向けた動きが始まっていますが、行政に求めることは?
泉惠さん
「我が家は公営住宅を希望しています。家族で暮らせる1日も早い道筋を示していただきたい。そうすれば今の避難生活にも心の張りが出てくると思う」

Q:今後についてどんなふうに生活再建できたらと考えていますか?
泉惠さん
「これまでと同じように家族が仲良く肩を寄せ合いながら暮らせる場所を一日でも早く取り戻したい」

一日も早く元の日常が戻るためにも、行政などの手厚い支援が求められています。

岩手めんこいテレビ
岩手めんこいテレビ

岩手の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。