18日、悪質な“点検商法”の疑いで逮捕された、投資家の斎藤大器容疑者(33)。

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斎藤容疑者は2024年、自らが実質的オーナーであるリフォーム会社の社長・西村元貴被告らと共謀し、京都府などに住む男女3人に対し、屋根の修繕工事の契約を結んだ際、クーリングオフができることを故意に伝えなかったうえ、必要な契約書面を交付しなかった疑いがもたれています。

さらに警察は、斎藤容疑者が、SNSで実行役を集めて犯罪行為を繰り返す、匿名・流動型犯罪グループ「トクリュウ」のトップとみて捜査を進めています。

投資家として、SNSなどで自身が所有する豪邸や、数千万円する車、バンクシーの絵画など、羽振りのいい暮らしぶりを紹介していた斎藤容疑者。

「家賃って概念がなくて、住宅買ってるんで6億ぐらいじゃない」
「フェラーリF8スパイダーです。6000万を超えてたかと。それよりも高いのがこの絵なんです。バンクシーです、これは結構もう億です」

「めざまし8」は、かつて一緒に動画を撮影したことがあるという、アンディ南野さんに、当時の容疑者の様子について取材しました。

アンディ南野さん:
びっくりしましたね、逮捕っていうの聞いて。
ちょっと遊びにとか行ったことありますけど、普段の彼はものすごく倹約家やし、どっちかと言ったらほんまにお金持ちなん?って思うぐらい質素ですよ。
お金で苦労したと思うんです、昔のことを聞いてたら。

SNSで見せる派手な生活とは打って変わり、普段は倹約家だったという斎藤容疑者。
動画では自身の過去について、「高校卒業後、消防学校に入りそこから6年消防で働いていた」と明かしていました。

――倹約家なのになぜあのような派手な生活の動画を?
アンディ南野さん:

SNSを通じてファンを獲得していくにあたって、ある程度は派手に見せなあかんっていうのはあると思うんですよ。

ファン獲得のためにあえて裕福な様子を見せていたのではないかという、アンディさん。
動画の中では、こんな発言も…。

「教育システムがしっかりあるので、3カ月もあれば1000万円のレールにのれる。年収1000万円のレールに」

派手な生活をアピールした上で、自身に履歴書を送れば“大金を稼げる”と宣伝。
憧れを持った若者がメッセージを送ると、仕事先として西村被告のリフォーム会社をあっせんする役割も担っていたといいます。

「トクリュウ」のトップとみられる人物の逮捕。
しかし、犯罪ジャーナリスト石原行雄氏はさらなる“黒幕”がいるのではないかと推測します。

犯罪ジャーナリスト 石原行雄氏:
(斎藤容疑者は)顔出しをして、SNSを頻繁に更新して、動画サイトを頻繁に更新しているような人物で。さらに上の黒幕、暴力団などからですね、広告塔としてそういう人物が利用されている場合がある。

――今回斎藤容疑者が逮捕されたことでどんな意味が?
まず、例えばトクリュウ犯罪と言えば特殊詐欺や強盗などがあるわけですが、これまで指示役の姿が見えない、現場にいないからなかなか逮捕につながらないということで、実行役をひたすら逮捕してそこから情報やお金の流れでつなげるということだったのですが、今回ストレートに去年詐欺リフォーム会社が逮捕された後に、かなりスピーディーに指示役までいっていますから、犯罪を行っているピラミッド全体の電源を引っこ抜いたという形。かなり大きな意味はあると思います。

変化する犯罪の形

実体がないといわれている、匿名・流動型犯罪グループ“トクリュウ”。
しかし、今回、斎藤容疑者は“実在するリフォーム会社”に人材を送り込んでいたといいます。

犯罪ジャーナリスト 石原行雄氏:
犯罪の枠組みとして、詐欺罪であったり、詐欺リフォーム会社というところであったわけですが、構造としては斎藤容疑者がSNS等で暴力団等の組織に属さないような一般人を集めた上で、詐欺リフォーム会社に実行役、これはアポインターという飛び込み営業する役だったりするわけですが、実行役として送り込んでいたということが「トクリュウ」だと。

――実態があるリフォーム会社に人を送り込むことがトクリュウ?
若狭勝弁護士:

従来型の警察がよく言っている「トクリュウ」が今後の検挙対策としては大事だと、いわゆるトクリュウというグループとは違う、今回の斎藤容疑者はあるひとつのグループを結成しているというのは確かだと思うんですが、犯罪グループを。
ただそれがただちにトクリュウなのかというと、そうなのかな?ということは思うんです。
まだ捜査は始まったばかりなので、その辺の実態の捜査、実態解明というのが、今後のトクリュウの捜査、立件、検挙に向けて大きなカギになるのではないのかなと。

――トクリュウ、犯罪の進化・変化が止まらないですね。
犯罪ジャーナリスト 石原行雄氏:

そうですね、今回はこんなに堂々と顔出しをしてまさかそういう人物が逮捕されるようなことをやっていたのかというところが驚きなんですが、実は私の取材では、裏社会関係・反社関係を取材していると、例えばSNSのインフルエンサーやYouTuberですとか、あるいはオンラインサロンを主催している人物が反社そのものの人物、息のかかった人物、あるいは反社と便宜供与関係にある人物というのがゴロゴロいるわけで。
そういう意味では、ネットメディアのチェックの甘さというのは、ひとつ皆さん気をつけていただきたいと思います。
(「めざまし8」2月19日放送より)