訪問美容師がXに投稿した動画とメッセージ。
それらは瞬く間に日本中に拡散し、投稿への賛同を示す「いいね」が30万を超えるなど、大きな反響を呼んでいる。
“ルームシャンプー”の存続を願う投稿
その内容は、自力で美容室に行くことが困難な高齢者などの自宅で髪が洗える…

“ルームシャンプー”の存続を願うものだった。

訪問美容師・上原孝行さんのXには「皆様にお願いがあります。訪問理美容現場で手放せない『ルームシャンプー』が製造中止になりました」、「可能であれば製造中止にしたくないためお力添えください」といった投稿があった。

ルームシャンプーの製造中止を嘆く訪問美容師の上原孝行さんはさらに、「僕が訪問美容をやるうえで一番の武器だったので、1つの特技がなくなってしまったことに関しては、非常に残念かなって思っています」と訴える。

ルームシャンプーは、シャンプーの泡と水を掃除機による吸引力で吸い上げるため、服などをぬらすことなく洗い流せる優れもの。
楽な姿勢で髪を洗えると、高齢者や障害者に喜ばれてきた。

上原さんは、「(ルームシャンプーは)髪の毛だけじゃなくて、頭皮の汚れもしっかり吸ってくれる。ヘッドスパの効果があるような感じ。利用者さんは毎回シャンプーできない状態なので、1回のシャンプーで『すごくすっきりした』って言ってもらえる」と話す。
訪問美容師の上原さんは、高齢者や障害者のためにルームシャンプーの存続を訴え、Xに「皆様にお願いがあります」と見出しをつけて投稿したのだ。

この投稿に触れたXユーザーは、1900万以上。
そのうち1000人以上から、ルームシャンプーをなくさないでほしいというコメントが寄せられた。
今後代用できる製品としては、ペット用のルームシャンプーがあるというが、水圧が弱いため、完全な代用は難しいという。
製造委託先での安定供給が困難になり…
なぜルームシャンプーは、なくなってしまうのか。

販売元のウェブサイトには、製造中止の理由として、「製造を委託していた中国工場での安定供給が困難になったことがございます。日本国内での製造切り替えを検討しましたが、莫大(ばくだい)な資金が必要になることから、経営判断として販売および修理の提供を終了することを決定いたしました」と記されていた。

頼りにしてきたルームシャンプーがなくなったとしても、上原さんは「本人だけじゃなくて家族の方、みんなに笑顔を届けることができる。このやりがいのある訪問美容師を今後も続けていきたい」と、今後も訪問美容師として活動していく考えだ。
訪問美容の利用者に喜んでもらうため、上原さんは新たなルームシャンプーの製造などを製造元の会社に働きかけていきたいと話している。
(「イット!」2月10日放送より)