イワシの不漁などで煮干しが、かつてないほどの歴史的な高値となっている。
取材した人気つけ麺店では、煮干しの仕入れ価格が上がり、やむなく値上げを実施したという。麺や卵なども高騰しており、さらに大手製粉会社も2月から小麦粉を値上げを発表している。
つけ麺店「また上げないといけないかも…」
東京・大田区の人気つけ麺店「煮干しつけ麺 宮元」も、その影響で値上げを余儀なくされていた。

取材班:
お店の前には、すでに長い行列ができています。店内に入ってみると、煮干しの良い香りが漂っています。
一番人気は、スープに約15kgもの大量の煮干しを使った「特製極濃煮干しつけ麺(1530円)」だ。6時間かけてじっくりと煮出し、1日寝かせた超濃厚などろっとしたスープだ。
客:
結構ゆずがきいてるのと、煮干し系の中では濃い感じです。

人気の一方で、店は深刻な問題に直面している。それは相次ぐ不漁や不作による材料の値上げだ。麺の小麦粉、トッピングの卵やのり、そしてチャーシューの肉と、ほぼ全てで値上げの波が押し寄せている。中でもスープの命ともいえる煮干しの値上がり幅が深刻だ。
煮干しつけ麺 宮元・平良惇さん:
(煮干しは)2年前くらいから徐々に上がってきています。倍近く変わってくると思います。お客さんには負担をかけるが、1月に入り値上げを実施しました。

やむを得ず、1月から全商品で行った値上げ幅は30円だ。背景は煮干しの原料となるイワシの不漁だ。そのため、仕入れ価格も上がり続けているという。
煮干しつけ麺 宮元・平良惇さん:
煮干しが1kg1300円くらい。2年前だと700~800円くらい。(他の食材などの)状況によっては、また上げないといけないかもしれない。
家庭用小麦粉の一部商品値上げを発表
煮干しは約5年前は1kg当たり516円だった。3年前に1000円を超えたあと、一時値下がり傾向になったが、2024年12月には過去5番目の高値、1225円にまで上がった。

客は、どこまで値上げを受け入れられるのだろうか?
客:
1400円までなら来ます。それ以上は難しいかもしれないです。

客:
今はどこに行ってもラーメンは1000円以上。1000円以下で食べられるところはなかなかないので、このクオリティーなら全然いいと思います。

深刻さを増す値上げの波だが、大手製粉会社3社は2月1日から、家庭用小麦粉の一部商品を値上げすると発表した。一層の負担が家計を直撃することになる。
(「イット!」1月31日放送より)